基本方針を策定 水道広域連携 思川浄水場更新に233億円(古河市)
[2025/2/6 茨城版]
古河市は、水道事業広域連携基本方針をまとめた。県が設置した「水道事業に係る広域連携検討・調整会議(調整・検討会議)」の検討結果を踏まえ、市の方針を明らかにするもので広域連携の指針とする。広域連携にあたっては、本年度中に県企業局との経営統合に係る基本協定を締結し、その後3年程度で経営統合を目指す。市の施設最適化では、老朽化した思川浄水場の更新に233億円を投じるほか、総和地区配水場の新設に70億円、配水ブロック化に91億円の概算事業費が見込まれている。
水道事業の広域連携では、本年度中に経営統合に係る基本協定を結び、法定協議会を設置。25-27年度をめどに協議会で経営統合に向けた最終調整を進め、28年度以降に合意が得られた段階で県企業局へ統合する予定となっている。
市は、安全で安心な水道サービスをできる限り低い料金設定で供給するため、22年度に策定した「新古河市水道ビジョン」に基づく経営基盤強化の取り組みの一つとして広域連携に参加。検討・調整会議において、広域連携による業務や施設の効率化と大幅なコスト削減が認められた。
市の水道事業は、給水人口の減少に加えて施設の更新時期が迫り、大規模な建設投資が課題となっている。特に思川浄水場更新と三和地区の水源転換は、水道供給の持続のためには必要不可欠。将来の給水人口および水需要予測に基づき、施設の新設や統廃合などの最適配置を検討した。
施設最適化では、思川浄水場更新と総和地区配水場の新設、配水ブロック化を推進。三和浄水場を配水場へ転換するほか、思川浄水場の更新に伴い古河浄水場と駒羽根配水場を廃止する。
思川浄水場は、旧古河地区と旧総和地区、栃木県野木町との共有施設として1974年に給水を開始した。現在も古河市の核となっている浄水場で、施設の老朽化に伴い更新する。更新にあたっては、水道水の供給を停止せずに実施する必要があるため、思川流域の新たな場所に、古河市と栃木県野木町との共同施設として、浄水場と取水導水施設を整備する。更新後には三和給水区域の水源転換にも対応する計画だ。
思川浄水場更新の事業期間は25-34年度で、概算事業費には233億円を投じる。このうち野木町の負担率は計画配水量按分で18.3%、42億円を想定。既存施設の撤去費は約13億円を見込む。25-27年度に設計と用地取得、28-34年度に建設工事を実施する。
三和地区では、水源を地下水から思川表流水に転換する。思川浄水場から三和地区まで水を供給するため、総和地区に配水場を新設し、ここを経由して送水管で連絡する。整備が完了すれば、三和浄水場は配水場として運用する。事業期間は29-34年度で、概算事業費には70億円を見込む。29-30年度に設計と用地取得、31-34年度に建設工事を予定している。
配水ブロック化は、三和地区への送水において整備される送配水施設を利用。現在の「古河・総和配水ブロック」と「三和配水ブロック」間をさらに送水管で連絡することで、配水管網のバックアップ機能を確保する。災害や事故発生時の基盤強化を目的とする一方、多額の事業費が見込まれるため、費用対効果を踏まえて事業実施を判断する考えだ。29-34年度で設計・工事を行う予定で、概算事業費には91億円が試算されている。