肉付け補正予算 県庁舎整備へ構想着手 流山に特別支援学校新設(千葉県)
[2025/5/15 千葉版]
千葉県(熊谷俊人知事)は14日、6月補正予算案を発表した。一般会計の予算規模は816億6700万円。3月の知事選挙に伴い、当初予算が骨格編成となっていたため、「肉付け予算」となる。県庁舎の再整備に向けて、基本構想や基本計画の策定に着手するほか、新規事業として流山地区特別支援学校(仮称)の整備事業などを盛り込んでいる。
6月補正予算は、政策的判断を要する経費や新規事業、投資的経費のうち新規着手分などを中心に「肉付け予算」として編成している。一般会計の普通建設事業費は494億5100万円。道路ネットワークや河川・海岸・砂防などの公共事業について、新規着手箇所分の予算を重点配分している。
新規事業をみると、流山地区特別支援学校整備事業で限度額2億6000万円の債務負担を設定し、基本・実施設計に着手する。過密状況にある柏特別支援学校、つくし特別支援学校の一部を分離し、流山市立南流山中学校施設の一部を改修して新設校を設置する。
家畜伝染病対策緊急強化事業に7000万円を計上。本年1月~3月に発生した高病原性鳥インフルエンザなどを踏まえ、予防に効果的な対策を協議する検討会などを開催するとともに、先進的な発生予防策を支援するほか、防疫作業の効率化に向けて資機材を増強する。
新規事業ではこのほか、事前復興まちづくり計画策定支援事業(債務負担2400万円)や次世代型太陽電池率先導入モデル事業(5000万円)、電子黒板導入事業(1億2210万円)などを盛り込んでいる。
継続事業をみると、県庁舎等再整備事業に3500万円を計上するとともに、限度額1億3800万円の債務負担を設定し、基本構想や基本計画の策定に着手する方針だ(関連記事は本紙参照)。
道路ネットワーク事業では249億2652万円を予算化するとともに、限度額116億4600万円の債務負担を設定。北千葉道路の早期全線開通に向け、橋りょう・道路改良工事やアクセス道路の調査設計などを計画している。銚子連絡道路(匝瑳市~旭市間)や長生グリーンライン(茂原市~一宮町間)について、早期着工に向けて関係機関との協議を進めていく。通学路の安全対策に取り組むほか、橋りょうの安全・安心を確保するため老朽化・耐震化対策、道路の法面対策を強化する。
一宮川流域浸水対策特別緊急事業に23億9950万円を配分。甚大な被害が発生した一宮川について、上流域や支川で河川の改修や調節池の新設、中下流域で河道掘削や護岸工を予定している。
当初予算と合わせた6月補正後の一般会計予算規模は2兆1858億1700万円。前年度の当初予算比3.7%増となる見通しだ。