高白トンネル349m掘削 関係者が安全祈願 丸本組が施工

[2016/3/25 宮城版]

掘削の準備が整った仮称・高白トンネルの終点側坑口

掘削の準備が整った仮称・高白トンネルの終点側坑口

 掘削の準備が整った仮称・高白トンネルの終点側坑口[/caption] 牡鹿半島東部を通る県道女川牡鹿線で24日、高白道路改良事業にかかるトンネル工事の安全祈願祭が現地で開かれた。「仮称・高白トンネル工事」を請け負った丸本組(石巻市)がNATM(ナトム)工法で延長349mのトンネルを掘削する。狭あい区間の解消を図る道路整備だ。同社の串岡明副社長は「難易度が高い工事だが、持てる技術と英知をもって完成させる」と決意を固めた。

 安全祈願祭には県東部土木事務所の伊藤一彦所長はじめ県職員や施工者ら40人あまりが出席した。地元神社の神職が神事を取り仕切り、祝詞奏上、玉串奉てんなどを行った。

 神事後にあいさつした伊藤所長は「女川牡鹿線は震災で被災したため、災害に強い道路ネットワークの整備として延長1.5kmを改良することにした。この道路が整備されることで、高白浜、横浦地区の住民の皆さまが安全に安心して快適に暮らせる」と期待を寄せた。

 女川牡鹿線のうち、女川町中心部から東北電力女川原発方面に通じる区間は、切り立った山間を抜けるワインディングロードで、狭あい区間が数多くある。地元からは長年、道路改良の要望が出ていた。防災集団移転地へのルートも確保する必要があったため、県は女川町高白浜~同町横浦までの事業区間1.5kmを拡幅改良することにした。

 事業は24年度から調査測量などに着手。このうちトンネル掘削を含めた延長546mの工事を初弾として発注し、丸本組が9億6700万円で受注した。工事は26年度末から準備工などを進め、このほどトンネル本体の掘削を始めることになった。トンネルの延長は349m。NATM工法により、終点側の高白浜から掘り進める。8月上旬に貫通する見込みだ。トンネル以外の道路は全幅7.5mとし、車道2車線(6m)を確保する。工期は29年3月24日まで。

 串岡明副社長は「道路完成により、交通安全と走行性向上が図られる。復興・創生に寄与する意義深い事業に参画できることは、地元企業として光栄だ」と熱く語った。

 県は事業区間の1.5kmについて、30年度末を目標に整備を進める。初弾工事の進ちょくを見極めながら、今後も道路改良工事を数件に分けて発注する見込みだ。事業費は約26億円を試算している。

■現場代理人を務める丸本組・金戸友太工事主任補の話
「岩盤が固いため、難工事が予想される。機械で30m掘削した後は、発破で掘り進める。切羽付近での落盤には特に注意が必要なので、切羽観察できるサイバーナトムを初導入して安全対策を図る」

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