東部公民館等複合施設の建替 設計から従来方式で(千葉県船橋市)

[2018/2/8 千葉版]
千葉県船橋市社会教育課は、現在地での建て替えを計画している「東部公民館等複合施設」について、要望している予算が確保できれば、既存施設の解体設計を含め、新施設の基本設計から実施設計までを一括で委託する考え。発注については当初、設計・施工一括発注(デザインビルド、DB)方式の採用も検討されていたが、設計と施工を別発注とする「従来方式」を採用する見通しだ。

28年度にパシフィックコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区)に委託して策定された基本構想では、メリットの少ないPFI手法ではなく、公共施設の整備や運営に採用される代表的な公設公営の事業手法として、公共が自ら資金調達した上、設計・建設は公共が民間事業者に分けて発注し、施設運営は公共自ら行う従来方式、設計・建設を公共が民間事業者に一括発注して、施設運営は公共自ら行うDB方式の2方式から検討することとしており、その結果、従来方式を採用することとなり、29年度に予定していたアドバイザリー業務の委託は見送っている。

新施設は基本構想で、施設の規模を抑えながら既存施設の拡充を図る公共施設のみのC案を基本案とすることとし、地下2階地上6階建ての構造、延べ4,655平方mの規模を想定。地上1階以下を公共の駐輪場や消防分団器庫として利用するとともに、2階に出張所、2階に社会福祉協議会や図書室、4~6階に公民館を配置する。施設整備に伴う市の支出は、従来方式の場合、約26億8,200万円と試算されている。

既存施設は昭和52年の完成。所在地は前原西2-642-1で、敷地面積は約809平方m。RC造地下1階地上4階建て延べ1,903平方mの構造・規模で、公民館や連絡所棟などで構成する。JR津田沼駅から徒歩5分以内という場所に位置し、正面に新京成線の線路が走り、人通りも多く、周辺は建物が密集。また、公民館がコミュニティの中核的施設として、さらに、津田沼連絡所が併設された複合施設として多くの利用がある。

一方で、建設されてから40年が経過しており、老朽化が目立ってきていることから、建て替えについて検討。隣接する消防分団器庫も含めて現在の場所で建て替えることとした。

PFI導入可能性の検討に当たっては、定量的評価で一般的に期待される費用対効果(VFM)基準の達成が見込めないことや、定性的評価においてもPFI導入のメリットが少ないため、従来方式による整備が適当とした。公設公営の方式を採用した場合の各工程に必要な期間として▽1~2カ年度目:解体・基本・実施設計▽3~5カ年度目:解体・建築工事▽5カ年度目:供用開始──の案が示されている。

施設整備の基本的な方向性では、民間事業者への意向調査で、計画地周辺の商業施設は飽和状態にあり採算性の確保が難しいなどの意見が多かったことや、民間収益施設の活用可能性が低く、同施設を併設しても市の財政負担軽減にはつながりにくいと判断。施設規模を抑えながら既存施設の拡充を図ることとした。

一方で、民間収益施設の併設がないため、容積率に余裕が発生することから、公共施設による最大容積活用の可能性やその用途も含め、地域住民や施設利用者の利便性向上、市有財産の有効活用に適した施設となるように検討・協議していくとしていた。

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