30年度地区別調書を公表 土木部分は1603億円 大沢川堤防復旧など計上(県土木部、農水部)

[2018/3/20 宮城版]
 宮城県土木部と農林水産部は3月19日、30年度予算(当初)における公共事業の地区別調書を公表した。土木部分は7事務所管内と県全体の事業分に計1603億4700万円を計上。農林水産部は7事務所管内と県全体の事業分に658億4100万円を計上した。土木部分には東部土木事務所管内で実施する大沢川などの堤防復旧に224億2100万円を計上。仙台土木事務所管内の事業には、山元町内で実施する県道38号相馬亘理線の内陸移設に計42億0100万円を計上している。

 土木部分の事業費は1603億4700万円で、29年度当初比12.9%減(237億1100万円減)となった。内訳は、7土木事務所管内で実施する国庫補助事業分が1447億2500万円。県内全域で実施する県の単独事業分が156億2200万円。

 各土木事務所管内の事業費を見ると、大河原土木事務所管内の事業は社会資本整備総合交付金の復興枠で実施する道路事業費などが増加し、12.1%増と唯一、前年度を上回った。村田町姥ケ懐地区を通る県道岩沼蔵王線の道路改良を行うほか、国道113号に架かる郡山橋(白石市)の補修などを行う。東北自動車道・菅生パーキングエリア内に設置するスマートインターチェンジの事業費1億0400万円も盛り込んだ。

 その他の6土木事務所管内では、前年より事業費が縮小している。北部土木事務所管内は33.3%減と、最も減少幅が大きい。事業費は33億7200万円を計上した。

 最も事業費が大きいのは、復興事業を多く抱えている東部土木事務所管内。576億3400万円(同3.6%減)を計上した。

 東日本大震災で被災した河川堤防などの災害復旧に、280億3400万円を計上。このうち、大沢川など石巻市内の河川堤防復旧に224億2100万円を確保した。多重防御の二線堤を兼ねる門脇流留線の道路改良には、67億1700万円を確保。門脇流留線の西側に延伸する矢本門脇線の道路改良には、10億4000万円を確保した。

 このほか、県道石巻女川線(国道398号)浦宿バイパスの整備には、11億3300万円を確保。北上町十三浜地区に整備している相川復興道路の事業費には、12億4100万円を確保した。

 仙台土木事務所管内の事業費は322億6100万円を計上し、同18.8%減となっている。同事務所道路課が復興交付金を活用して実施する道路改良や、社会資本整備総合交付金によって実施する道路橋りょうの補修事業などが増加した。

 旧JR常磐線の線路敷を活用して内陸移設する相馬亘理線の道路改良には、山寺地区(山元町)分に35億3500万円、坂元地区(同)などに6億6600万円を計上した。

 洪水対策では大和町の吉田川流域で、床上浸水対策特別緊急事業として11億5500万円を計上。河道掘削や護岸整備を行う。

 このほか、気仙沼土木事務所管内では津谷川(気仙沼市本吉町)などの堤防復旧に228億7600万円、八幡川(南三陸町)などの堤防復旧に93億9200万円を計上。大島架橋事業として実施している県道大島浪板線の整備には、道路改良に6億9200万円、防災ステーションの整備に9300万円を計上した。

農水部分は658億円 北部、気仙沼管内が増加

 一方、農林水産部が公表した地区別調書の事業費は、計658億4100万円となった。29年度当初比で11.2%減(83億0500万円減)。内訳は、7地方振興事務所管内で実施する国庫補助事業分が641億9700万円。県全域で実施する国庫補助事業分が16億4400万円。すべて国庫補助金を活用する事業となっており、県の単独事業分は含んでいない。

 各地方振興事務所管内の事業費のうち、北部地方振興事務所管内は29年度当初比で19.6%増となった。7事務所管内で最も伸び率が高かった。計上した事業費は60億4800万円。

 29年度事業と比べ、ほ場の大区画化など競争力を高める農地整備事業や、暗渠排水の設置など耕作条件を改善する農地整備事業が増している。競争力を高める農地整備事業には30億1300万円を計上。下野目東部(大崎市)、蕪栗沼(同)、鹿飼沼(涌谷町)などで区画整理工事を実施する。暗渠排水の設置など耕作条件を改善する農地整備事業には、10億0100万円を計上。江合川左岸(大崎市)、田尻西部(同)、田尻中央2期(同)などでパイプラインの整備を行う。

 気仙沼地方振興事務所管内の事業費も、同13.1%の増加を示した。事業費は159億4600万円。防潮堤の建設費など、海岸保全施設整備事業に51億5600万円を計上。29年度より76.9%も増加している。気仙沼港(気仙沼市)や大島・浦の浜漁港(同)、日門漁港(同)などの整備を行う。

 水産基盤整備災害復旧費は29年度より16%減少したものの、78億0400万円と計上額は大きい。波路上漁港(気仙沼市)や波伝谷漁港(南三陸町)、志津川漁港(同)などで海岸保全施設を整備する。

 最も事業費が大きい東部地方振興事務所管内は、同13.7%減となる206億6300万円を計上。広渕沼(石巻市)、鹿又(同)で区画整理工事を継続するほか、復興交付金を活用して大川(同)、北上(同)の区画整理工事も行う方針だ。

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