業務委託が38、工事66件 県建築課30年度受託事業 104件で受託117.6億円 設計は長寿命化や省エネ化

[2018/5/8 栃木版]
 県建築課は、設計・監理など業務委託と工事を合わせ104件で117億6353万円を受託する30年度建築事業の計画概要をまとめた。内訳は、業務委託が38件で1億6525万円、工事は66件に115億9828万円となった。県建築課によると、前年度に設計を完了した大型案件により工事金額が約2倍となったことに加え、金額の大きな設計案件についてはプロポーザル方式や総合評価を併用した入札方式を検討、上半期をめどに全案件を発注する見通しを示している。設計は長寿命化対策や省エネ化など改修が主体で、工事では大型新築案件等の発注が上半期に集中している。

 業務委託の38件1億6525万円は、前年度に比べ件数が半分、金額では3分の1となっている。学校施設の長寿命化対策や県有施設省エネ加速化事業など大半は改修となっており、新築案件では真岡と栃木工業高校の2校の運動部室の設計と工事費を配分した。構造と規模は木造2階・延べ280平方mを試算している。

 工事の66件115億9828万円は前年度に比べ、件数は1件減少したものの、金額では約2倍の61億5462万円増加した。総合文化センター(宇都宮市)の大規模改修をはじめ、新築では県立博物館収蔵庫棟(同)、食肉衛生検査所(芳賀町)、県北家畜保健衛生所(那須塩原市)に代表される大型案件が数字を押し上げた。総合文化センターや県立博物館を所管する県民生活部が金額ベースで約45%を占める51億3903万円となっており、次いで教委、県土整備、農政、保健福祉の工事費規模が10億円台となった。

 経営管理部は、業務委託と工事を合わせ9件で2億2466万円。長寿命化対策に伴う県庁南館の受変電設備改修に着手するため、設計を行い31年度の2カ年で施工する。

 県民生活部の委託1件は、消防防災総合センター(宇都宮市)の宿泊研修館の長寿命化対策として防水・外壁改修を行うため設計を委託する。一般競争適用の工事では、総合文化センターの大規模改修がメインホールの建築・電気・機械設備の3件、舞台ホールでは機構の機械器具設置・音響の電気通信・照明の電気工事3件に分け第2四半期に発注。収蔵庫棟は県立博物館敷地内にRC造3階・延べ2360平方m規模を新築するもので、建築・電気・機械設備に分離発注する。

 環境森林部の受託額は、業務委託が3件で716万円、工事は5件で3億5369万円。設計・工事とも高効率空調機への更新や照明のLED化を実施する県有施設省エネ加速化事業がメイン。対象は日光霧降アイスアリーナ(日光市)や県北体育館(大田原市)など。

 保健福祉部の設計は、精神保健福祉センター(宇都宮市)の屋上防水1件で単年度で施工。工事に着手する食肉衛生検査所はS造2階・延べ1620平方mで、本体建築・電気・機械設備に3分離し、第3四半期に一般競争で発注する。

 農政部の設計は、農業大学校の本館屋上防水・外壁改修など2件で1000万円。工事の目玉は、県北家畜保健衛生所で、千本松地内の畜産酪農研究センター敷地内に整備する。本館に防疫資材備蓄倉庫を併設し、構造と規模は本館がRC造平屋・延べ1480平方m、資材倉庫はS造平屋・延べ420平方m。

 県土整備部は、業務委託が13件で3151万円、工事は17件で13億8324万円。特定天井対策のうち、設計が県南体育館(小山市)のメインとサブアリーナに着手するほか、県北体育館は31年度の2カ年で施工する。県営住宅では八幡住宅5号棟(足利市)の長寿命化改善工事に着手する。

 教委は業務委託が14件で9618万円、工事は29件で17億9237万円。29年度に始まった県立学校の長寿命化対策が数字に反映。今市高校(日光市)特別教室棟など22校24棟の改修工事を実施する。設計では土壌改良を実施しているライフル射撃場(宇都宮市)のクラブハウス改修に向けた設計、霧降アイスアリーナは漏水対策に伴う設計を行う。真岡と栃木工業高校では運動部室を新築する。

 県警の工事1件は、宝木職員住宅(同)解体工事で、31年度の2カ年継続で施工する。解体後の跡地には独身寮を新築する計画。

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