鹿沼など3市が紫外線設備 市町30年度水道耐震化等整備 6市町で重要配水管 交付金9市町14件に6.9億円

[2018/6/5 栃木版]
 県生活衛生課は、水道事業における国の生活基盤施設耐震化等交付金の内示箇所をまとめ、30年度本県は9市町14件で内示額が6億9278万円、事業費ベースで22億2095万円となった。このうち6市町が重要給水施設配水管等整備を行うほか、鹿沼市が第3浄水場、佐野市も多田浄水場で新規に紫外線照射設備の整備に乗り出す。鹿沼市はまた、第3浄水場周辺で基幹管路の耐震管への更新に着手。宇都宮市では松田新田浄水場の耐震化とともに高間木取水場間を結ぶ耐震導水管延べ4530mについて、今年度は820mを計画した。

 基幹水道構造物の耐震化のうち宇都宮市は、浄水場や取・配水場の耐震化を継続する。今年度は松田新田浄水場沈殿池の耐震補強工事を行うほか、立伏・今里配水場の耐震2次診断業務を進めていく。

 宇都宮市と鹿沼市は、28年度に創設された水道管路緊急改善事業を充当。同事業は、布設後40年以上が経過した鋳鉄管・石綿管・鉛管・コンクリート管・塩化ビニル管・ダクタイル鋳鉄管を対象に基幹管路(導水管・送水管・配水本管)の耐震性の低い経年基幹管路について耐震管への更新を実施するもの。

 このうち宇都宮市は国庫充当前の28年度に実施設計に着手。今年度は延べ820mの導水管の施工を計画したほか、次年度以降の施工に備え上流側の設計を進めていく。旧導水管撤去に伴う舗装復旧工事には4400平方mを予定した。全体では延べ4530mの更新を計画しており、29~36年度までの8年間で総事業費には59億3000万円を試算。今年度は9億7500万円を投入する。

 佐野市は多田浄水場への紫外線照射設備の整備に乗り出す。各浄水場への整備の一環で、今年度は紫外線処理棟建屋と場内配管を予定した。宇都宮市も白沢浄水場への紫外線照射設備を整備する。29年度から3カ年で計画したもので、今年度は処理棟の建築と処理設備設置を行う。

 鹿沼市は、第3浄水場の機能強化を目的に紫外線照射設備に加え、水道管路緊急改善事業と重要給水施設配水管事業を新規に導入した。水道管路緊急改善は老朽管路延べ1300mの布設替えを予定し、今年度に詳細設計。重要給水施設配水管では延べ4700mのうち500mを計画している。災害時の広域避難場所となる鹿沼高校と鹿沼西中学校との配水ネットワークを構築することが目的。

 重要給水施設配水管は、基幹病院や小中学校・コミュニティセンターといった広域避難施設など市町の地域防災計画に位置づけた防災拠点への給水を前提に、安全な水を供給するため耐震性のある管路やポンプ施設、計装機器などを整備する。配水管整備では、既設の石綿セメント管の布設替えも合わせて実施していく。事業費ベースでは、那須塩原市の1億2000万円が最も多い。

 重点配分の那須塩原市は、旧3市町を対象に布設替えの進ちょくを図る。ダクタイル鋳鉄管を採用し、延べ3020mの配水管整備に加え、舗装復旧6350平方mを計画した。大田原市は、HPPEを主体に延べ1520mの布設替えを予定した。

 塩谷町がダクタイル鋳鉄管延べ1164m、壬生町も獨協医大などへの給水を確保するため、ダクタイル鋳鉄管延べ300mを施工する予定。下野市はダクタイル鋳鉄管を採用し、延べ2458mを施工する。

 那須町は、成沢・寄居地区を対象とした継続の簡易水道統合による上水道の整備。これまで未普及地域解消のため、水源や配水池などの整備を進めてきた。今年度は配水管延べ2650mを布設する予定。

 鹿沼市は耐震性が低く布設後、20~30年以上が経過した塩ビ管や鋳鉄管、コンクリート管などが対象の老朽管更新事業を継続。今年度は老朽鋳鉄管を更新するため、ダクタイル鋳鉄管360mの布設替えを実施するほか、舗装復旧2100平方mを施工する。

 交付金内示箇所は次の通り。([1]補助事業名[2][2]今年度事業内容[3]事業期間[4]国庫交付金対象事業費、カッコ内は内示額、▼は新規、単位・万円)

▽宇都宮市=[1]基幹水道構造物の耐震化[2]松田新田浄水場の沈殿池耐震補強工事[3]27~36年度[4]3699.9(1233.3)
▽宇都宮市=[1]水道管路緊急改善事業[2]導水管布設L820m、舗装A4400平方m[3]29~36年度[4]9億7500(3億2500)
▽宇都宮市=[1]高度浄水施設等整備[2]白沢浄水場紫外線照射設備整備に伴う処理棟の建築と設備設置[3]29~31年度[4]4億8339.6(1億2084.9)
▽鹿沼市=[1]老朽管更新[2]配水管布設L360m、舗装A2100平方m[3]16~39年度[4]3800(950)
▼鹿沼市=[1]水道管路緊急改善事業[2]詳細設計一式[3]30~33年度[4]399.9(133.3)
▼鹿沼市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L500m[3]30~36年度[4]1億(2500)
▼鹿沼市=[1]高度浄水施設等整備[2]第3浄水場紫外線照射設備整備に伴う詳細設計[3]30~32年度[4]440(110)
▼佐野市=[1]高度浄水施設等整備[2]多田浄水場紫外線照射設備整備に伴う処理棟の建築と場内配管[3]30~31年度[4]5066(1266.5)
▽那須町(成沢・寄居)=[1]簡易水道統合整備[2]配水管布設L2650m[3]22~31年度[4]1億3250(5300)
▽大田原市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L1890m[3]24~33年度[4]7200(2400)
▽那須塩原市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L3020m、舗装A6350平方m[3]24~33年度[3]1億2000(4000)
▽下野市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L2458m[3]24~32年度[4]9900(3300)
▽壬生町=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L300m[3]22~36年度[4]4800(1600)
▽塩谷町=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L1164m[3]24~33年度[3]5700(1900)

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