秋保に支援学校設立 建設費89億円の大規模事業 11月ごろ設計プロポ(宮城県行政評価委)

[2018/7/19 宮城版]
 宮城県行政評価委員会の大規模事業評価部会(部会長:奥村誠東北大学災害科学国際研究所教授)が7月18日、宮城県庁内で開かれた。村井嘉浩知事が諮問した「仙台南部地区特別支援学校整備事業」について、1回目の審議を行った。宮城県は旧拓桃医療療育センターなどがあった仙台市太白区秋保町内の敷地2万6000平方mを活用し、定員210人規模の新たな特別支援学校を建設する考え。初期建設費に89億3700万円を試算している。早ければ11月ごろに設計業務のプロポーザルを公告する。

 仙台南部地区特別支援学校整備事業は想定される事業費が30億円を超える施設整備事業となるため、事業実施の必要性や妥当性の審議について県行政評価委員会に諮問された。

 仙台圏域では近年、特別支援学校の対象児童・生徒が増加しており、受け入れる施設の狭あい化が課題となっている。そこで県は、旧拓桃医療療育センターと旧拓桃支援学校があった太白区秋保町湯元字鹿乙の敷地を活用し、小・中・高等部の児童・生徒210人程度(36学級)が教育を受けられる特別支援学校の設立を計画した。高等部には普通科に加え、自立を支援する実践的職業教育の場として産業技術科を設ける。ホテルビジネスコースや食品製造コースなどの専門教科4コースを設置する考え。

 拓桃医療療育センターと拓桃支援学校は、28年度に県立こども病院(仙台市青葉区落合)の隣接地に移転している。旧センターなどがあった敷地は約4万平方mあり、現在、奥田建設(仙台市青葉区)が旧病棟や旧診療センターなどの建物を解体している。

 県の計画によると、敷地4万平方mのうち2万6000平方mを活用し、RC造4階建て延べ7867平方mの校舎やRC造2階建て延べ3601平方mの校舎、RC造3階建て延べ2540平方mの寄宿舎、S造平屋100平方mの生活訓練棟、S造平屋35平方mの倉庫などを建設する方針。4階建ての校舎内には体育館を設け、2階建ての校舎内には実習施設を設ける。

 校舎の南側には200mトラックを備える6200平方mのグラウンドや、ジャングルジムなどを備える400平方mの遊具スペースも整備する。駐車場は校舎周りに計173台分確保する。

 初期建設費は89億3700万円を試算している。内訳は、調査費が2800万円、設計費が2億1100万円、監理費を含む工事費が86億9800万円。また、40年間の維持管理費として、修繕・補修費などを含めて68億0800万円を試算している。

 支援学校整備事業の実施が同評価部会で認められた場合、県は早ければ11月ごろに設計業務のプロポーザルを公告する意向だ。委託者を選定し、31年度から33年度の7月ごろまでに基本・実施設計をまとめてもらう。その後、33年度中に建設に着手し、35年度末まで完成させる。開校は36年4月を予定している。

 同部会は8月20日に2回目の会合を開き、県民から聴取した意見などを参考に事業評価を行う。その段階で村井知事に対する答申案をまとめることにしている。

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