33年度耐震工着手へ 今秋に補修工2分割 釜川放水路 地下水路1600mの対策

[2018/7/18 栃木版]
 県は宇都宮市戸祭町地内を流れる地下式の釜川放水路1600mの補修工事を進めているが、早ければ33年度にも耐震化対策に着手できる見通しとなった。県宇都宮土木事務所によると、29年度補正と当初を合わせ工事の進ちょくが図られたためで、第2四半期にはボックス工とNATM区間延べ115mの補修工を2分割で発注する見通しを示した。補修工は目地周りの充填・更新を実施しており、残る31年度以降の延べ400mについて、32年度の2カ年で計画している。

 釜川放水路の耐震化に当たっては27年度に対策工法を固め、詳細設計を経て28年度から補修工事に着手した。漏水防止やモルタルの吹き付けによるPCM増厚工法、裏込注入工や水位の低下対策などを実施。地下水路は、同区間を構成する土質の状態により、ボックス工、NATM、トンネル工で施工。これらの構造と劣化状況により、最適な工法と対策箇所を特定したもの。

 釜川放水路は宇都宮市中心部の氾濫被害を防止するため、宇都宮市道の競輪場通り渡河部から東に分岐し、一級河川田川に放流する地下水路を築造、昭和58年度に完成している。

 釜川放水路は当時、施工地の土質や競輪場通りの交通流の状況などを考慮し、ボックス工、開削によるトンネル工法、NATA工法などを採用し整備した。計画高水流量は毎秒90立方mで、分岐後の釜川本川下流では中心市街地を流れており、水辺を楽しめるように散策路を確保した二層式の改修を実施している。

 放水路1600mの工法別内訳と対策工事は、下流側から最下流のボックス工(内空断面7.3m×4.1m)480mと、その上流側のボックス工(同7.0m×4.5m)220mに加え、最上流部45mのボックス工(同7.0m×5.0m)が、目地を撤去し、新たに目地を更新する漏水防止を行う。

 トンネル工を挟み、上下流側はNATMで施工。このうち下流側の340mについては、ポリマーセメントモルタルの吹付けによるPCM増厚工法を採用。上流側NATM235mは水位が高く、横ボーリングなどにより水を抜き、水位低下を実施する計画。

 NATMに挟まれた普通トンネル工の延長は280m。トンネルの内側に空洞が見られ、空隙を埋める裏込注入工により地山と一体化させる計画とした。

 地下水路の施工地の土質は、大谷石層が基盤。その上に洪積世の砂礫層や砂質層が覆い、路面に近い部分は沖積代の粘土層で構成されているという。砂礫層で覆われた区間は土質が弱く、地下水路はNATMやボックスで施工。対策についても優先して工事を実施している。工法の検討と詳細設計は、日本工営(東京都千代田区)が担当している。

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