4000平方m規模の新棟新営 基本・実施設計でプロポ(放医研)

[2018/9/14 千葉版]
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の放射線医学総合研究所(放医研、千葉市稲毛区)は13日、新高度被ばく医療施設(仮称)の新営工事に向け、基本・実施設計業務を委託するための公募型プロポーザルを公告した。新施設はRC造(一部S造)4階建ての構造とし、規模として約4,000平方mを想定。履行期限は31年8月30日を設定しており、工期として32年1~12月を見込んでいる。参加表明書は10月3日までの提出を求める。

千葉市稲毛区にある放射線医学総合研究所(放医研)

千葉市稲毛区にある放射線医学総合研究所(放医研)

同プロポーザルへの参加資格は、文部科学省の設計・コンサルティング業務での29・30年度の入札参加資格を持ち、平成15年度以降にS造やRC造、またはSRC造で延床面積2,000平方m以上の医療施設または理工系の研究施設、実験施設に関する建築物で、かつ放射性同位元素(アイソトープ)を扱う施設の新築または改築の基本設計・実施設計を手掛けた実績などがある担当者を配置できることなどとしている。

11月21日までに提出を求める技術提案書に当たっては、資格や経験、実績などのほか、業務内容の理解度や、実施方針・実施手法・工程計画の妥当性など業務の実施方針に加え、温室効果ガスなどの排出削減に配慮する内容をテーマとする技術の採用を求める環境配慮型のプロポーザルを適用することから、これらについてや、建築・設備計画に伴うコスト縮減と工期短縮の設計上の配慮事項についての提案を求めることにしている。

業務では、構造と設備面での設計条件の整理に続き、基本設計方針の策定、図書の作成と概算工事費の検討などを委託することにしている。

新棟は、原子力災害時における高度な被ばく医療の実施や、人材育成事業などの実施を狙いとし、特に専門家の人材育成や内部被ばくに関する線量評価などで、国の中心的な役割を果たし、わが国における被ばく医療体制のさらなる高度化や、持続を目指すための施設として整備することを目的とするとした。

施設的な要件としては、緊急時には一度に10人に対応でき、一方で平時には十分な高度人材育成を実施できる施設・設備を整備。除染、トリアージ能力は重症患者6人または独歩患者10人以上とし、バイオアッセイ施設については一度に10人分の処理を可能とする。また、染色体分析を含む大規模で効果的・効率的な研修が可能で、核燃料物質や放射性同位元素、有機溶剤などを使用したバイオアッセイ実験を実施するため、排水処理機能を持つ施設を整備する考えだ。

千葉市稲毛区穴川4-9-1に位置する放射線医学総合研究所は、昭和32年の創設。放射線と人間の健康に関わる総合的な研究開発に取り組む国内で唯一の研究機関で、放射線診療をメーンとする病院のほか、敷地内にさまざまな研究施設が立地している。

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