百目鬼川改修が再開 真岡土木 放水路620m、現川360m 橋と樋管2カ所を計画

[2018/11/16 栃木版]
 益子町を流れる一級河川百目鬼川の改修に伴う放水路の整備が再開される。全体計画延長は放水路新設が620m、上流側の既設河川の改修360mの計980m。県真岡土木事務所によると、放水路には落差工2カ所、ボックス工による橋梁2カ所、排水樋管2カ所が整備される計画とし、現在策定を進めている事業効果を基に31年度の国庫交付金充当を見据え、整備計画を再考していく予定という。事業効果調査業務は建設技術研究所(東京都中央区)が担当している。

 放水路の整備計画は、2面張りのブロック護岸を基本に標準断面は天端で4~5m、河床幅が2~3m。上流側の既設河川の標準断面は、天端3.5m、河床幅は2mで計画した。現況の河川は流下能力が低く、計画では毎秒10立方m~15立方mの流量を安全に流すことができる整備を行うとしている。

 構造物では、落差工2カ所、橋梁はボックスカルバートで農地間の横断用と取付用の2カ所を予定。排水樋管は自然流下で2カ所を想定している。交付金充当後は、これら構造物の設計を進めていく予定。

 県が27年度に変更した小貝川圏域河川整備計画(第2回変更)によると、百目鬼川0.4kmと百目鬼川放水路0.6kmを施行区間に追加し整備を進めるとしている。同地では、26年度に百目鬼川や放水路として整備する合流先の普通河川根古屋川で浸水被害が発生。計画高水流量は百目鬼川放水路で毎秒10立方m、根古屋川合流後では毎秒15立方mで計画した。

 百目鬼川の改修計画は、益子地先の百目鬼川放水路分派点から黒石橋までの区間について、毎秒10立方mの流量を安全に流下させるため、掘削や築堤、必要に応じて護岸などの工事を実施する。河床部には澪筋を創設し、魚類の生息場所を確保。周辺の良好な自然環境や景観に配慮した護岸形状を検討するとした。一級河川小貝川合流部から3km地点の改修断面を天端で約5mを確保、県道の対岸には管理用通路3mを設置する。

 百目鬼川放水路の改修計画も同様に、掘削・築堤・護岸などを施工。毎秒15立方mの流量を安全に流下させる整備を行うとした。河床部には澪筋を創設し、魚類の生息場所を確保するとともに、周辺の良好な自然環境や景観に配慮した護岸形状を検討するとしている。百目鬼川合流部から1km地点の改修断面では天端で約6mを確保し、両岸には管理用通路3mを設置する。

 百目鬼川の改修については、12年度に改修計画を立案するとともに用地買収に着手、13年度には放水路の設計を実施した。その後、用地協力が得られず放水路整備に対する地元の理解を待つ形で、事実上、事業がストップしていた。

 27年度には度重なる氾濫被害を背景に、地元の改修に対する理解も進み、河川整備計画を変更し百目鬼川と同放水路の整備を位置付けた。河川断面が不足している同河川は、大雨のたびに河川と東側で並行する一般県道益子公園線が冠水する被害が発生。同県道も百目鬼川改修と整合を図り、31年度から国庫交付金充当を計画している。27年7月の台風11号による大雨でも河川水位が上昇、町道175号道祖土新町線が冠水し、路肩等が破損する被害が発生している。

 放水路は上流端を黒石橋付近から西側に分岐し、現川の西側で並行しながら下流端を町道一の沢西線付近で合流する。事業費には4億7000万円を試算している。

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