未来へ架け橋! 8年連続1兆円超え 放射光の造成費計上 (宮城県 2019年度予算案)

[2019/2/6 宮城版]
 宮城県は2月5日、2019年度予算案を公表した。一般会計の総額を、前年度と同等の1兆1102億7064万円とする方針。東日本大震災以降に続く1兆円台の予算案を、8年連続で編成した。県震災復興計画の終了まで残り2年余りとなる中、復興事業を締めくくる事業費を計上。東北放射光施設の造成費を盛り込んだほか、石巻好文館高校、宮城第一高校の改築事業費などを含めた。

2019年度予算案の名称を掲げる村井知事

2019年度予算案の名称を掲げる村井知事

 恒例となっている村井嘉浩知事の予算の命名。4月7日に気仙沼大島大橋が開通する2019年度予算案は「未来への架け橋予算」と命名された。復興事業の終了まで2年余りとなった今、村井知事は復興後を見据えた予算を編成し「将来を担う子どもたちのためにも、未来への架け橋となる事業を展開していく」と意気込んだ。
 復興事業が終了に近づいていることを受け、一般会計の震災対応分は減少している。逆に通常分は増加したため、一般会計の総額は前年比0.9%減(103億3959万円減)にとどまる見通し。東日本大震災後に編成した2012年度予算以降では最小となるが、引き続き1兆円の大台をキープする。
 投資的経費のうち、普通建設事業費は2108億9525万円となる見込み。前年比で6.4%増加する(127億3505万円増)。災害復旧事業費は847億6360万円を計上し、同21.3%減とする(229億8774万円減)。
 一般会計のほか、特別会計4336億1950万円、準公営企業会計40億4664万円、公営企業会計477億6106万円を合わせた予算総額は1兆5956億9785万円。全体では同1%減(103億3959万円減)となる見込みだ。県震災復興計画で定める「発展期」の2年目として、創造的復興に向けた総仕上げをさらに加速させる。
 建設関連の主な事業費を見ると、青葉山への誘致が決まった東北放射光施設の造成費として24億6200万円を盛り込んだ。東北大学青葉山新キャンパスの約6haを造成する。
 県立高校の老朽化対策では、石巻好文館高校、宮城第一高校などの改築事業費として74億5324万円を計上したほか、限度額98億3500万円の債務負担を設定する。石巻好文館高校では間もなく、既存校舎の解体に着手する。
 警察署の整備では被災した南三陸署の復旧などに2億2237万円を計上。限度額13億9100万円の債務負担も設定する。築館署と若柳署を統合する栗原署の新設に向け、用地造成費4900万円も計上した。
 公共土木施設の復旧では、復興関連道路の整備に268億1801万円、河川整備に662億0250万円、防潮堤などの整備に37億9450万円を計上。漁港施設の復旧には76億1603万円を盛り込んだ。
 宮城県は2月13日に開会する県議会2月定例会に、2019年度予算案など70議案を提出する。

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