消防広域化へ計画改定 栄・富里・富津など対象(県消防課)

[2019/2/22 千葉版]
 県防災危機管理部消防課は21日、「県消防広域化推進計画」の案をまとめた。消防庁が告示した、市町村の消防の広域化に関する基本方針が一部改正されたことを受けて、県が2007年度に策定した計画を見直したもので、消防吏員(りいん)数と管轄人口を基に、規模の小さい消防本部を「広域化対象市町村」に指定。本県では「特定小規模消防本部」と「準特定消防本部」に栄町、富里市、富津市が当たるのをはじめ、10団体が該当する。県では同案について、3月13日までパブリックコメントを実施する。

 県は06年6月に改正された消防組織法に基づき、自主的な市町村の消防の広域化を推し進めるため、県消防広域化推進計画を08年2月に策定。県内の全市町村を計画の対象とし、消防の広域化を進め、現在31団体ある県内の消防本部を、7つに再編することを目標に、12年度末までをめどに広域化を進めていたが、消防庁が13年度に基本方針を一部改正。5年延長させ、18年4月1日を期限としていた。

 今回の基本方針の改正では、広域化の推進期限をさらに24年4月1日まで延長。一方で消防本部を取り巻く現状分析のため、各消防本部で「消防力カード」を作成するのに並行し、各都道府県の計画を再策定し、18年度中に国に提出するよう求めている。

 今回の計画案では、広域化対象市町村を指定した上で、小規模な消防本部に重点を置いて広域化を推進。おおむね10年後までに広域化する組み合わせとして、対象市町村に限らず、国の指針を踏まえて災害への対応力がより強化される規模の広域化を進める。県でもまた、将来のあるべき姿として、共同指令センターの運用状況なども考慮、より広域化が可能な組み合わせを検討するとしている。

 国の指針では、消防吏員が50人以下の「特定小規模消防本部」は原則指定するとし、本県では栄町消防本部が該当。可能な限り指定するとした、消防吏員数が100人以下の「準特定小規模消防本部」は富里市と富津市、管轄人口が10万人未満の「小規模消防本部」には▽銚子市▽旭市▽四街道市▽君津市▽袖ケ浦市▽匝瑳市横芝光町消防組合▽夷隅郡市広域市町村圏事務組合──の7団体が該当することになる。

 県では指定団体が隣接する地域を基本に、協議のきっかけとなる会議や説明会などの場を設定。関係団体相互の協議状況に応じて必要な調整を実施し、広域化への機運が高まり、協議会の設置など具体的な動きが進んだ地域を広域化重点地域として指定する考えでいる。

 早急な取り組みが求められている特定小規模消防本部である栄町について計画案は、成田市および印西地区消防組合との組み合わせや、栄町と成田市、佐倉市八街市酒々井町消防組合、印西地区消防組合に加え、準特定小規模消防本部の富里市、小規模消防本部である四街道市を交えた印旛郡市での組み合わせなどを例示している。

 栄町消防本部の広域化についてはこれまでにも、印西地区消防組合と18年4月の統合を目指し、関係市町で「印西地区消防組合及び栄町消防広域化協議会」が設けられるなどしたが、17年3月に広域化を見送る方針が決まり、協議会が解散した経緯もある。

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