水田71%が整備済み 区画整理進む 大崎、栗原で工事最盛(宮城県農政部)

[2019/4/6 宮城版]
 宮城県農政部は4月5日、水田の整備事業について、区画整理などの進捗状況(速報値)を公表した。水田11万0277haに対し、2018年度までに発注済みとなった水田整備工事の面積は7万8292ha。前年度より0.8ポイント増加となる71%の水田が整備済みになった(909ha増)。本年度は事業費148億9200万円を投じ、津波被害を受けた農地を含め、水田の大区画化や復旧を進めていく方針だ。
 農政部が公表した水田の整備状況は、18年度中に工事発注し、未完了となっている地区分もカウントした見込み値となっている。対象となる水田は、1区画当たり20a以上に区画整理された水田。水田面積の合計11万0277haは震災前の数値を用いており、その後、面積が変更された箇所がある。
 全体の整備状況を見ると、区画整理や用排水路などの整備が完了した水田は7万8292haで、整備率は71%となった。7万8292haのうち、1区画当たり50a以上に大区画化された水田は31.7%に当たる3万4955haに増えた。大区画化の整備率は前年度より1ポイント増えた(1082ha増)。
 地方振興事務所ごとの管内では、東部地方振興事務所登米地域事務所管内の整備率が84.5%と最も高い。また、東部地方振興事務所管内では津波被害を受けた長面地区(石巻市)などを復旧する際、大区画化も合わせて行っているため、水田の整備率が80.6%、このうち大区画の整備率が60.9%と高くなっている。
 反対に気仙沼地方振興事務所管内の整備率は21.9%にとどまっており、今後の整備事業の加速化が期待される。
 県は近年、水田を1区画当たり1ha程度に大区画し、効率的な作付によって生産率を高め、競争力のある営農に転換する農業政策を進めている。19年度予算には津波被害を受けた水田の復旧を含め、農地整備に56億8000万円、津波被災地周辺にある水田の整備などに92億1200万円を計上している。
 県が公表している地区別調書によると、農政部が国庫補助金を活用して実施する本年度の区画整理事業は、大崎地区や栗原地区で多くの工事発注を予定している。
 北部地方振興事務所管内では、農地整備事業に28億1100万円、用水路など水利施設整備事業に5億円を確保している。鹿飼沼地区や下野目地区、蕪栗沼地区、出来川左岸上流地区などで区画整理事業を進める。
 北部地方振興事務所栗原地域事務所管内では、農地整備事業に16億2100万円、水利施設整備事業に2億8000万円を確保している。本年度は大目地区や上沼地区、稲屋敷・袋地区、東田地区などで区画整理事業を進める方針だ。

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