「3Dチャレンジ工事」も試行 サポートプランVer.3.0を発表(関東地方整備局)

[2019/6/22 千葉版]
 国土交通省関東地方整備局は21日、2016年度から独自策定している「“地域インフラ”サポートプラン関東」の「Ver.(バージョン)3・0」を取りまとめた。地域建設業の支援を目的とし、従前の取り組みに加えて開会中の国会で成立した「新担い手三法」の改定も受けて新たな施策も盛り込み、働き方改革や生産性の向上、工事・業務の品質確保に対する取り組みを拡充していくとしている。

 「Ver.3・0」は[1]担い手の確保・育成(働き方改革への対応)[2]生産性の向上(i-Construction)[3]建設現場の魅力発進──の3つの柱の下に、新規のものを含む15施策を盛り込む方針で、具体的な取り組みの内容については追って公表していくとしている。

 新規のものについてみると、災害時には随意契約や指名競争入札の活用など、緊急性に応じた適切な入札・契約方法を選択するよう努めるとしたほか、週休2日制適用工事では、受発注者で工程を「クロスチェック」し、より現場の条件を反映した工程の改善を図る取り組みを試行。実施状況を広報するとともに、企業側の週休2日制適用工事のベストプラクティス事例集を発刊、取り組みやすい環境整備につなげる。

 併せて、準備期間や施工に必要な実日数や不稼働日、後片付け期間を考慮した適正な工期設定にも努めるとともに、工期の変更などにより翌年度に工期がまたがるなどした場合は、繰越明許の設定などで工期を確保する。

 設計・発注条件と実際の現場の不一致の防止に向けては、業務と工事の入札・公告時に、条件明示チェックリストを参考開示する取り組みを試行。大規模な土工や支障物件が多い工事など、施工上の情報共有や意見交換が必要な工事などについては、三者会議も開催するとした。また、技術資料を統合する(定型化する)ことで、入札・契約手続きで参加企業が提出する技術資料の削減を図るほか、多岐にわたる入札・契約の適用分類を分かりやすくまとめた「入札・契約方式のガイドブック」を発刊。発注者だけでなく受注者への理解も深め、入札参加資格の可能性と受注機会の拡大を目指す。

 ホームページでは、建設業者に対する厚生労働省の助成金など人材の育成や教育に関する情報の提供もスタート。情報提供や講習会、出前講座の開催などを通じ、地方自治体の発注者の育成の支援も進める。

 「生産性の向上」に向けては「i-Constructionモデル事務所」による3次元データなどの活用のほか、同事務所による企業などの支援に加え、ICT施工の実績がない企業が、安心してICT活用工事に参画できるように、これらに精通した専門技術者からの助言や、3次元データに関する技術的な支援を受けられる「3Dチャレンジ工事」の試行も予定する。

 これらのほか、国土基盤データベースに登録された地盤情報など、公共工事で得られる情報の把握・活用、タブレット端末などIT機器を活用した確認・立ち合い時のペーパーレス化による監督・検査事務の効率化と受注者の負担軽減、ウェブカメラを使った立会検査の試行を検討することによる品質確保・監督業務の効率化・受注者の負担軽減を目指すなどとしている。

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