舟運などで周辺活性化 少年自然の家 補助得て調査着手(八千代市)

[2019/8/8 千葉版]
 八千代市が、国土交通省による第2次の「先導的官民連携支援事業」に応募していた事業が、今月1日付で採択された。官民連携事業(PPP/PFI)を積極的に推進する取り組みの一環で、市には「かわまちづくりの後背地にある公共施設と一体となったエリアマネジメント調査」を実施するため、国から900万円の補助金が交付される予定だ。市では県や近隣市などとも協力しながら、新川(印旛放水路)沿いにある公共施設の活性化を図りたい考えだ。

 「印旛沼流域かわまちづくり計画」は、県とともに八千代市を含む4市2町で、2015年度から(19年度までの予定で)進められているもの。市では市の中心部を流れる新川を中心として活性化を図るため、船着き場やトイレなど「一里塚」などの整備を検討、進めてきた。

 これらに別途並行して同市では、施設近くを新川が流れる「少年自然の家」(保品1060-2)の老朽化解消と、一般客を宿泊可能な施設にするなどによる活性化を図るため、18年度に民間事業者に対するサウンディング調査を実施。結果的に得られたデータは多くはなかったものの、指定管理者制度の導入が望ましいとの提案に加え「かわまちづくり計画」との連携を望む意見もあったという。

 市では民間事業者が、リスクが高いなどとして「後ろ向き」だった少年自然の家の耐震または大規模改修は、市の事業として進める方針を固める一方、以降の運営などには民間活力を活用し、さらに市内の沿川にある公共施設を連携させ、民活実現への可能性を探ることとした。

 一方で民間でも、県の印旛沼流域の自治体職員や、関係する民間事業者と連携し、新川水辺空間のエリアビジョン策定に向けたワークショップなどを実施して人材発掘や情報発信を行う「新川ウォーターフロント共同事業体」(八千代市、岩崎肇代表)の事業が今年4月、国交省の「民間まちづくり活動促進・普及啓発事業」に選ばれた。市ではこれらとも連携していく考えだ。

 市ではまず、少年自然の家と、同じく沿川にあり、高い集客力を誇る「道の駅やちよ」の連携を模索するため、少年自然の家の直近にある県道八千代宗像線の阿宗橋とそのバイパスとなる新阿宗橋の間に設けられる予定の船着き場を利用するとともに、道の駅やちよの近隣にも船着き場を設置して、舟運による社会実験を行うなどし「どのようなことができるのか」から結果を見極めたい考え。

 市ではさらなる活性化に向け、さらに下流の八千代広域公園までの延伸のほか、サイクリングコースの提案やライトアップなどのイベント、ロードレース大会などとも連携した展開となることにも期待し、年度内には少年自然の家の今後の処遇を含めた方針を打ち出したい考えだ。これらの業務を委託する事業者については、あらためて予算が確保でき次第、選定に着手する見通しだ。

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