「八の字型」庁舎提案 基本設計案を公表(八千代市)

[2019/10/5 千葉版]
 八千代市の第1回となる「新庁舎等建設基本設計検討委員会」が4日、同市庁舎内で開かれた。当日は基本設計を受託した梓設計(東京都品川区)が、これまでにまとまっている庁舎の形状や平面計画など、基本設計の案が委員らに示された。それによると、5階建ての新庁舎は、市の名前にもちなんだ「八」(はち)の字型に組み合わされており、その中間には2階まで吹き抜けの市民向けのエリアを設ける。市は同委を年度内に計4回開催し、基本設計をまとめるとともに、来秋にもデザインビルド(DB)方式による事業者の決定を目指す。

 当日は服部友則市長が委員らに委嘱状を交付した上で「いいものを作るのは当たり前」として、いかにコストカットなどを図り、市民の理解を得られるような内容にしてほしいと委員を激励。委員長には柳澤要委員(千葉大学工学院工学研究院教授)、副委員長には粟根秀光委員(市自治会連合会長)がそれぞれ選ばれ、議事が始まった。

 事務局から、これまでに策定された基本計画や、検討経緯などについて説明があった後、梓設計の担当者が新庁舎の形状などについて、コンセプトのほかバードビューイメージを含む設計案がプロジェクタのみで示された。

 新庁舎は市民に分かりやすく、まちに開かれ、災害にも強く、公園感覚で気軽に立ち寄れ、長く使えるフレキシブルに富んだものとした。構造は大スパンのS造とし、基礎免振構造を採用。極力柱を減らしたオープンなフロア構成とする。規模は基本計画にも示された通り延べ1万8,500平方m以内に収める。

 建物は北西側を通る新川大橋通りに沿わせるものと、「八の字型」にもう1棟を設けて2棟構成にみえるように配置。通りに面しては市民も利用できる食堂のほか、市民の協働スペースにも利用できる会議室なども配するほか、間の部分に設ける正面出入口の横には「まちかど広場」としてギャラリー展示も可能なスペースとし、中央部は市民が休憩できる吹き抜けの大きな「八の字ホール」を設ける計画となっている。

 1・2階には市民が訪れる機会の多い部局を配置し、3・4階に事務部局を、独立性を保つため5階に市議会・議場などをそれぞれ配置。一方で上下水道局は、既存の第2別館を増築して入居する。これらのほか、太陽光パネルや雨水利用など環境に配慮するとともに、災害時には7日間業務が可能な機能を持たせるなどとした。

 発注方式は、実施設計のうち意匠設計と総合調整業務を、そのまま梓設計(東京都品川区)と、20年度早々にも随意契約して委託する一方、設備と構造の実施設計と施工を建設事業者に発注する、ECI方式にも似たスプリット・デザインビルド(SDB)を採用しながら、DBMの代わりに維持管理についても専門業者のノウハウが生かせるよう、公募時の要求水準書に盛り込む方針だ。

 スケジュールをみると、現在プロポーザルで事業者を公募中のアドバイザリー業務に続き、2020年7月にもDB事業者の選定に着手。10~11月ごろの選定・仮契約と同12月の市議会定例会で承認。業務に着手し、21年度中ごろの着工、移転までを終えて23年度中の供用開始を目指している。基本設計も20年2月ごろをめどにパブリックコメントを実施する予定でいる。

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