特殊堤など整備へ 河川改修協議会が発足(銚子漁港部)

[2020/11/26 千葉版]

協議会は国や県、銚子市、漁業関係者で構成

協議会は国や県、銚子市、漁業関係者で構成

 銚子漁港部河川改修協議会の初会合が25日、銚子市内で開かれた。協議会では、2019年東日本台風の浸水被害を踏まえ、利根川河口部の銚子漁港区域で、無堤地区の河川整備を検討していく。特殊堤(コンクリート堤防)などを整備する方向性が示された。

 利根川河口部の銚子漁港の区域では、無堤地区を中心に、東日本台風(台風第19号)による洪水で浸水被害が発生。災害防止の観点から、協議会を設置し、銚子漁港で洪水被害が発生した地区を中心に河川改修の計画を検討していく。

 協議会は、国土交通省利根川下流河川事務所、銚子市、県土整備部河川整備課、県農林水産部漁港課、県銚子土木事務所、県銚子漁港事務所、漁業協同組合で構成。詳細な検討を進めるため、作業部会を設置する。

 初会合では、大谷悟利根川下流河川事務所長が協議会の主旨を説明した後、利根川河口部の河川改修計画と現状、銚子漁港部における河川改修に関する論点整理などについて協議した。

 河川改修の前提条件として、現行の河川整備計画で設定している流量(1秒当たり8500立方m)を安全に流下させることを目標とする。当面は、東日本台風による洪水と同規模の洪水に対して浸水の解消を図るとした。

 対象区間は、現行の河川整備計画で堤防整備が位置付けられていない河口から県銚子土木事務所付近のうち、東日本台風による洪水で浸水被害が発生した区間とする。改修内容は、原則として特殊堤(コンクリート堤防)を想定。そのほか、逆流防止のための施設や陸閘などを検討していく。

 今後のスケジュールをみると、21年5~7月の第2回協議会で第一次改修案を提示する。同年夏以降の第3回協議会で改修概略計画案の合意を目指す。

 銚子漁港の区域のうち、利根川右岸沿川の区域は、洪水や高潮などを防ぐための堤防や流入河川・水路の逆流防止施設がほとんどない状況。これまで、東日本台風による洪水をはじめとする洪水・高潮・津波などにより、頻繁に浸水被害が発生しており、市民の生活や地域の社会経済の進展に多大な影響を与えている。

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