市庁舎を集約 DB方式に優位性 基本計画で素案(市原市)

[2021/11/2 千葉版]
 市原市庁舎強靭化対策検討委員会(委員長・鮎川二郎千葉商科大学名誉教授)が1日、市役所で開かれ、庁舎等整備基本計画の素案が示された。市役所第2庁舎など4施設について、現敷地に集約し、延べ1万4040平方m規模の新庁舎を整備する計画。免震構造を採用し、事業方式はデザインビルド(DB)方式に優位性があることが分かった。

 基本計画の素案では「分散整備案」と「現敷地での集約整備案」について、中長期コストや建物性能、庁舎機能などを比較検討した。その結果、「現敷地での集約整備案」が優位な結果となっている。

 庁舎規模は、現状面積から算定する方法をベースに、保有面積を削減する方向で整理するとともに、国の基準や他自治体の事例から規模の妥当性を検証した。

 その結果、延べ面積1万4040平方mを算定。その内訳は市民スペース673平方m、議会用スペース1666平方m、執務室関係4525平方m、会議・打合せスペース771平方m、書庫・倉庫394平方m、共用6011平方mとなっている。

 新庁舎の構造形式は、想定される地震被害に備え、第1庁舎と同等の耐震安全性を備えるため、「免震構造」を採用する。

 庁舎の配置については、「庁舎等の将来的な整備方針」で候補地としたA駐車場とB駐車場で検討を進めた。庁舎間の接続がよく、機能連携に適していることから、市民の利便性が向上する「A駐車場に配置する案」を基本とする。ただ、委員から「B駐車場に配置する案」を再考するよう求める意見が出された。

 庁舎構成のイメージをみると、窓口は低層部に配置。執務空間は中間階に集約することで、移動の利便性に配慮する。議会部門は独立性を考慮し、上層階に計画している。具体的には、今後の設計段階で検討していく。

 事業費は、調査・設計費4億5000万円、庁舎整備費73億5000万円の計78億円を概算。関連事業費として、外構・そのほか6億6000万円、既存庁舎の解体費20億6000万円を見込んでいる。

 事業手法は▽従来▽ECI▽DB▽DBO▽PFI──などの方式について、事業条件、民間事業者の事業参画意向、ライフサイクルコストなどの項目で、定量・定性両面から検証。総合評価した結果、「DB方式」に優位性が確認された。

 基本計画については、今後、パブリックコメントなどを経て、2022年3月の策定を目指す。整備時期ついては、公共資産マネジメントの取り組みと連携しながら、市の将来財政見通しを踏まえて決定していく。

 基本計画策定支援業務は山下設計・三菱総合研究所共同企業体が担当。

 同市では、市役所第2庁舎や議会厚生棟、エネルギーセンター、新議会棟の耐震性能不足や老朽化への抜本的な対策について、市議会や市民などとの対話をもとに、「庁舎等の将来的な整備方針」を策定し、基本計画の策定を進めている。基本方針策定支援業務は千都建築設計事務所(千葉市美浜区)が担当した。

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