市庁舎整備に道筋(木更津市市長公室特命担当部長 桒田伸一氏)

桒田市長公室特命担当部長

桒田市長公室特命担当部長

[2021/11/5 千葉版]
 木更津市で、公共施設マネジメントを担う市長公室特命担当部長の桒田伸一氏が弊紙のインタビューに応じ、市庁舎整備について「2025年度の新庁舎供用開始に向けて、しっかり道筋をつけていきたい」と語った。また、策定を進めている木更津飛行場周辺まちづくり構想で、吾妻公園地区に文化芸術拠点を整備する方向で検討していることを明らかにした。

 ──特命担当部長の役割と抱負は。

 「今年度から市長公室に新設され、全庁横断的に公共施設マネジメントとデジタル化の推進を担当している。重責を担えるか不安があったが、一歩一歩前へ進めていくため、全力で取り組んでいる」

 ──就任から半年が過ぎ、みえてきた課題は。

 「公共施設マネジメントについては、公共施設等総合管理計画において、30年間で公共建築物の床面積を約23%削減する目標を掲げている。2017年度から本年度までの第1期実行プランは、おおむね計画通りに進んでいる」

 「公共施設は市民が安心安全で快適に利用できることが重要だが、小中学校のトイレ洋式化、校舎や公民館の大規模改修など、財政面からできていないものもある。真に市民が必要とする施設か見極めながら、公共施設マネジメントを進めていきたい」

 「デジタル化の推進については、ICTの活用ばかりに目が向きがちだと思う。本市では庁内デジタル・トランスフォーメーション(DX)で、富士通総研の協力のもと、職員研修や業務改善に力を入れている。何よりも“職員の意識改革”が重要だ」

 ──市庁舎整備をどう進める。

 「基本構想・基本計画に沿って、分庁舎・民間施設の賃借とし、木更津駅前周辺と朝日庁舎周辺で応募事業者と協議を進めており、12月中に事業者を選定する予定だ。課題も多いが、市と事業者がウインウインの関係となるよう、25年度の新庁舎供用開始に向けて、しっかり道筋をつけていきたい」

 ──木更津飛行場周辺まちづくり構想とは。

 「木更津飛行場は、市政施行前の1936年に木更津海軍航空隊が創設され、航空基地としての運用開始以来、数度の再編を重ね、現在、飛行場機能を持った海上自衛隊木更津駐屯地をはじめ、海上自衛隊航空補給所や航空自衛隊木更津分屯基地となっている。防衛省の補助金を活用し、地域住民の理解を深めることで、防衛施設とその周辺地域の調和を図るため、まちづくり構想の策定を進めている」

 「2020年3月に策定した中心市街地活性化基本計画に位置付けられなかった、文化芸術活動の拠点施設や庁舎など公共施設の再配置、地域防災力の強化を盛り込み、中心市街地のにぎわいづくりに向けた構想を策定したい」

──文化芸術活動の拠点施設の整備について。

 「構想では、吾妻公園地区に整備する方向で検討を進めている。年度内に構想をとりまとめ、22年度に基本計画、23年度に実施計画を策定し、24年度以降に設計や建設工事を進めていくことになるため、供用開始までには5~6年程度かかる見通しだ」

 ──建設業界に求めることは。

 「土木関連の部署に長く配属されてきたが、建設業界の高齢化が問題となっていると感じている。中長期的に担い手を確保することが重要だ。若い世代がもっと就労できるよう、週休二日制の導入や適正賃金など、労働環境を改善する必要がある」

 「これには行政も発注工事の平準化など、積極的に関わらなければならない。自然災害や施設の老朽化への対応を考えると、建設業界の健全化はとても重要な課題だ」

 
【プロフィル】くわだ・しんいち
 1963年11月生まれの57歳。86年3月に千葉工業大学土木工学科卒業後、同4月に木更津市役所に入庁し、土木課に配属。下水道建設課や都市整備課(現市街地整備課)、財政課、企画部みなと再生推進課などを歴任し、2017年度に都市政策課長、18年度に参事兼地域政策課長を経て、今年4月から現職。趣味は旅行やオートバイ、DIY、料理。愛読書は「現代農業」で、週末には農作業に勤しむ。好きな言葉は「終わりよければすべてよし」。

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