県都市整備課 対話型調査を開始 都市公園のPark-PFIで

[2021/11/25 栃木版]

 県都市整備課は24日から、県営都市公園におけるさらなる民間活力導入(Park-PFIなど)の検討のため事業発案に係るサウンディング調査を開始した。対象者はこの件に関心のある法人または法人グループで、調査期間は12月12日まで。調査対象公園は県総合運動公園や井頭公園など8公園とし、ウェブによるアンケート調査のほか、詳細に回答する場合には調査用紙による調査も実施する。県では都市公園2カ所程度でPark-PFIの導入を目指しており、サウンディング調査やアンケート調査も踏まえて本年度内にも基本構想を策定する。順調にいけば、22年度下半期ごろに公募設置等指針を公表し、23年度にはPark-PFI事業の基本協定を締結して事業者の計画を認定する。

2カ所程度で23年度に基本協定

 本県では、1952年に宇都宮市にある県総合運動公園を開設し、以降も井頭公園や鬼怒グリーンパークなど計9カ所の都市公園を整備して管理・運営してきた。しかし近年は、最も新しい公園でも開園から20年が経過して新鮮味が薄れつつあることに加え、多様化する県民ニーズの対応が課題となっている。

 そこで県は、県営都市公園の魅力向上を図るため、日光田母沢御用邸記念公園を除く8カ所の公園で、整備や管理運営に民間事業者の資金やノウハウを活用する民間活力のさらなる導入の検討を行っている。

 中でも、民間事業者が飲食店や売店など公園利用者の利便の向上に資する公園施設(収益施設)を設置し、これらの施設から生じる収益の一部を公園施設の整備や改修などに還元することで都市公園の質そのものの向上を図る公募設置管理制度、いわゆる「Park-PFI」の導入を主に考えている。

 導入にあたっては、栃木県で初めてとなることから導入に際しての課題の有無などの把握が必要となるため、先行的にPark-PFIを導入する県営都市公園を検討し、その後の検証を踏まえて他の公園にも展開していく考え。先行的に導入する公園の選定は、今回実施するサウンディング調査などの結果を踏まえ、県として公園を選定する予定となっている。

 そのため今回の調査では、Park-PFIを導入する公園の選定を目的として▽県総合運動公園(東エリアを除く)▽井頭公園▽鬼怒グリーンパーク▽県中央公園▽那須野が原公園▽みかも山公園▽日光だいや川公園▽とちぎわんぱく公園-の8カ所で公園の魅力向上に係る事業参入の可能性やそのアイデアを把握する。なお日光田母沢御用邸記念公園は、保存計画で栃木県民公園福祉協会が管理を行うことが明記されているため、調査の対象外とする。

 想定する民間活力手法は、現時点ではPark-PFIを想定しているが、その他の手法に関する意見などもあれば提案するよう求めている。事業期間は最大20年を見込み、その期間は民間事業者が特定公園施設の管理運営を行うことを想定している。

 公園選定の評価基準は、民間活力導入のうち特に Park-PFI 導入を位置付ける公園を選定する際に▽民間事業者の収益事業への参入意向▽公園の市場性▽コンセプトとの整合性▽公園の課題への対応▽利用実態との適応▽地域との連携・地域への貢献-を主な視点として評価する。

 スケジュールは、サウンディング調査を12月12日まで実施し、調査結果を2022年2月頃にも公表する。対象8公園の民間活力導入に関する基本構想の策定(Park-PFI導入公園を位置づけ)は22年3月頃となる見通しだ。

 その後は、Park-PFI導入公園の事業化検討に係るサウンディング調査を22年度上半期頃に実施し、Park-PFI事業に係る公募設置等指針を22年度下半期頃にも公表して、23年度には基本協定の締結と計画認定を行うとしている。

 詳しい問い合わせ先は、県営都市公園に関することは県公園事務所工務管理課(Eメールkouen-j@pref.tochigi.lg.jp)まで、Park-PFIやその他の民間活力手法制度に関することは建設技術研究所東京本社都市部PFI-PPP室(電子メールtochigi_park@ctie.co.jp)まで。

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