2月18日~3月18日にICTサポーター募集 地元建設業の技術支援へ i-Con連絡調整会議

[2022/2/10 宮城版]

ウェブ形式でiコンの取り組みについて協議した

ウェブ形式でiコンの取り組みについて協議した


 東北地方整備局は、ICTサポーター制度の取り組み方針を明らかにした。ICTサポーターは地元企業などの求めに応じて必要な時に技術支援する。18日~3月18日にICTサポーターを募集し、審査を経て3月末に第1期のICTサポーターを認定、4月1日から制度の運用を開始する。地元企業とは直接やりとりをしてもらい、民間同士で技術支援に関する契約を交わしてもらう。

 ICTサポーター制度の取り組み方針は、8日に開催された第10回東北復興i-Construction連絡調整会議(以下、連絡調整会議)に示した。

 ICTサポーターの主な役割は、ICTやIoT、AIなどの情報通信技術について、建設生産・管理プロセスの全て、または各段階で活用する際に、地元企業からの依頼に応じてサポートする。

 このほか、効果的なICT活用方法の提案、ICTに関わる最新動向の紹介、東北地方整備局や地方公共団体等が実施する研修・講習会への協力などを行う。

 サポート対象の技術は▽調査・測量・施工監管理がICT施工におけるドローンの空中写真測量を活用した3次元計測技術など17技術▽設計がBIM/CIMなど4技術▽施工が遠隔操作式建設機械による無人化施工など4技術▽維持管理が画像処理技術を活用した施設や構造物の点検など4技術▽防災がレーザースキャナーを活用した被災箇所・程度の把握など3技術▽その他がICT施工に関する総合的な施工計画など3技術──で計36技術。

 ICTサポーターの要件は、建設会社や測量会社、建設コンサルタント会社、建設機械リース・レンタル会社、ソフトウェア会社などの法人で、過去5年間の実績として、応募するICT技術に関して東北地方整備局か東北6県・仙台市が発注した工事や業務を請け負ったことがある、あるいは技術指導や助言、支援活動等の実績があるなど6項目のいずれかを満たすこと。

 ICTサポーターの任命に至るまでの流れは、連絡調整会議が公募し、申請書を受け付けて審議した上で任命・登録し、登録シートを公開する。任命期間は2年間のため、公募は2年に一度行う。支援を希望する地元企業は、登録シートに記載される会社名や所在地、連絡先、サポート可能なICT技術などを参考にして、サポーターに直接依頼する。

 技術支援の費用は、ICTサポーターと依頼者が協議して決めることになるが、電話やオンラインなどによる短時間の支援は無償を原則とする。ICTサポーターには支援内容を記載した活動報告書を連絡調整会議に提出してもらうため、報告実績がある程度蓄積された段階で、費用が高額にならないよう事務局(東北地方整備局)で対策を考える。

 ICTサポーターへのインセンティブに関しては、経費が支払われるので特に考えてはいないものの、同局が「みちのくi-Construction奨励賞」の表彰制度を設けているため、そちらでの対応を検討する。

 同局はこれまで、ICT施工の未経験企業に対してはアドバイザリー制度を設けて支援してきた。これは簡易チャレンジ型のICT工事において、専門家のアドバイザーからICT施工に関する助言を受けられる仕組み。アドバイザーに要する費用は設計変更の対象となっている。

 ただし、窓口を経由するため施工者がアドバイザーに直接相談できないという課題と、BIM/CIMや遠隔臨場などといったICT以外のアドバイスも対象にしてほしいといった要望があったため、新たにICTサポーター制度を設けることにした。

 なお、当面はアドバイザー制度も並行して運用し、将来的にはサポーター制度の方に移行していくことになりそうだ。

協議事項にDXを追加

 第10回東北復興i-Construction連絡調整会議(以下、連絡調整会議)では、会議名称と規約の変更が決まった。新たにインフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)も協議事項に盛り込み、情報交換や調整を行うこととし、規約にそのことを追記するとともに、会議名称を「東北復興DX・i-Construction連絡調整会議」に改めた。

 10回目の会合はウェブ形式で開催され、東北地方整備局、東北6県、仙台市、東北建設業協会連合会や日本建設業連合会など業界団体10団体から22人と、東北大学大学院の高橋弘教授が参加した。

 連絡調整会議の会長を務める角湯克典東北地方整備局企画部長は「東北地域における建設現場の生産性を向上させ、魅力ある建設現場を目指す取り組みを推進すること」が会議の目的であると伝え、「DXの推進についても建設業界全体で取り組むことを明確にしたい」と述べた。

 DXに関しては、角湯企画部長が「行動変革につなげていくことが大事。変革を起こしながら新たな価値を生み出す取り組みを進めたい」と意気込んだほか、高橋教授が「DXはどういう風に取り組んだらよいか分からないとも思うので、ICTサポーター制度でそこもサポートできたらよい」とコメントした。

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