市道改修に14億円 当初予算案 町田運動公園の更新へ(常陸太田市)

[2022/2/26 茨城版]
 常陸太田市は21日、宮田達夫市長就任後初めての編成となる22年度の当初予算案を発表した。一般会計は247億7000万円で、前年度当初比0.1%増とほぼ同規模となった。新年度予算では、4つの重点施策ごとに各種事業を盛り込み、「災害危険区域の解消」に1億3356万円、市道0139号線整備事業などの「市道の計画的改修」に14億0809万円、新体育館整備事業費など「運動広場や施設の充実」に2億0870万円、東部地区土地区画整理事業などの「働く場の確保と買い物環境の整備」に5億9334万円を投じる。また、カーボンニュートラルとデジタル化の推進に向けた事業も掲げている。

 宮田市長は新年度予算の編成に当たり、▽安全安心なまちづくり▽健康で快適な市民生活の実現▽少子化人口減少対策▽活力ある産業づくり──の4つを重点施策に掲げた。スクラップアンドビルドによる事業の見直しも行い、ほぼ前年度並みの規模を維持した格好だ。

 一般会計に占める普通建設事業費は前年度当初比4.5%減の29億8757万円となり、水府地区小中学校整備事業の完了や、用地取得が難航していた市道0139号線整備事業費の減小などにより、前年度から減額となった。特別会計と企業会計を含めた総額は430億7533万円で、下水道事業会計など企業会計4会計の伸びなどにより、前年度当初比1%の増額となる。

 各種事業を重点施策ごとに見ると、「安全安心なまちづくり」には20億4110万円を確保し、コロナ対策のほか、災害危険区域の解消や市道の計画的改修などを進める。災害危険区域の解消では、新規事業として排水ポンプを整備する大雨時内水対策事業や、松平町のグリーふるさとラインで実施する法面対策の調査測量などを盛り込んだ。

 市道の計画的改修では、市道補修改良事業に11億2411万円、市道0139号線整備事業に2億8397万円を投じる。

 このうち、県に委託して進めている市道0139号線では、引き続き道路改良工事や橋梁などの整備を進める。この道路は、日立市内の国道245号から笠間市内の国道50号を結ぶ日立笠間線の一部として整備を行うもの。県が1997年に日立笠間線真弓ルートとして事業化したあと、事業費などの問題から進んでいなかったが、市と日立市が合併特例債を活用して進めることが決定し、17年度から事業着手している。本年度からは初の本格工事となる橋梁工事や改良工事に着手し、橋梁では下部工事などが行われている。

 「健康で快適な市民生活の実現」の重点施策では、新体育館整備事業費に1億8543万円、新規事業となる町田運動公園のリニューアル事業に調査測量費など2327万円を計上した。新体育館の整備では昨年、安井建築設計事務所(東京都千代田区)と柴建築設計事務所(水戸市)の設計JVに基本設計を委託した。23年度中に実施設計をまとめ、27年度までの供用開始を目指している。

 この事業は、1977年に完成した現在の市民体育館について、老朽化や狭あい化、トイレや観覧席の不足、バリアフリー化への対応、空調がなく夏場の使用にも支障があることなどから計画。昨年夏には配置計画の見直しが行われ、屋外運動施設として、グラウンド・ゴルフなどを楽しめる多目的運動広場やランニングコースを設置するなど、公園全体で市民が健康増進を図ることとした。構造はRC造一部S造2階建て、総延べ面積は約6800平方m程度(スポーツ施設約4100平方m、附帯施設約2300平方m、その他400平方m)を想定し、事業費は約46億円を見込んでいる。着工は24年度を予定し、24年度から26年度の3カ年で施工する。外構工事は25年度と26年度に実施し、工期短縮も検討しながら27年度までの供用開始を目指す。

 少子化人口減少対策では、東部地区土地区画整理事業の推進や、工業団地、学校跡地などへの企業誘致事業などを盛り込んだ。このうち、常陸太田市東部土地区画整理組合が進める土地区画整理事業では、近くエリア北側で県警察本部による太田警察署の建設工事が開始されるほか、引き続き商業施設の整備と、C街区およびD街区に対する進出企業の募集を進める。

 この事業は、企業誘致による若者世代の定住促進や雇用創出を狙いに、市役所北側の約26haを対象に計画するもので、事業執行には組合施行によりデベロッパーなどの民間事業者を活用した業務代行方式を採用している。17年度に清水建設を事業協力者として選定し、18年秋には区域南側の2街区に進出する事業者として3社の企業グループ(カインズ、フォレストモール、ヨークベニマル)を選定した。19年夏には組合の設立が認可され、同年9月からは業務代行契約を締結して造成工事に着手した。20年6月には、組合と3社により保留地の売買契約が結ばれ、23年度の開業を目指している状況だ。市では事業進捗に合わせて、区画整理地内の道路・公園・調整池などを整備するため、5億7360万円の事業費を予算化する。

 このほか、カーボンニュートラルの推進に1億1721万円、デジタル化の推進に6億0924万円を予算化。デジタル化の推進では19-25年度で進めている防災行政無線整備事業に4億3536万円を計上し、屋外拡声子局整備や戸別受信機整備などを実施する。

 また、企業会計では、簡易水道事業会計の資本的支出が前年度比46.5%の増加となっている。これは、里美地区から水府地区へと結ぶ新たな配水池を2カ年で整備することに伴うもの。新設する配水池は約260t規模を予定している。

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