給食施設を統合 当初予算 小中学校の改修に7.5億円(稲敷市)

[2022/3/9 茨城版]
 稲敷市(筧信太郎市長)は、22年度の当初予算案を発表した。一般会計の総額は222億4400万円で、前年度当初比3.5%の増額となっている。主な事業では、給食センター統合へ基本構想策定業務委託料661万円を計上するほか、(仮称)防災センターの整備計画策定に673万円、子育て支援住宅の基本構想策定に522万円、小中学校4校の改修工事に約7億5700万円などを計上している。

 予算編成では、市全域が過疎地域指定されることなど、環境の大きな変化を踏まえ、「新たな視点で挑む新たなステージのまちづくり」を目標に掲げ、これを推進するために3つの柱を設定し、編成段階から重点投資枠を設定して、メリハリある投資を進めることで、質の高い生活を享受できるまちづくりを進める予算案とした。

 一般会計に占める普通建設事業費は22億7980万円で、合併特例債事業や小中学校の改修事業などの影響により、前年度当初比78.3%増と約1.8倍に増加している。特別会計と企業会計を含めた総額は前年度当初比3.7%増の374億4456万円で、一般会計に加えて特別会計と企業会計も伸びたことから、2年ぶりの増額となった。

 3つの柱別に主な事業を見ると、「地域特性を活かした持続可能なまちづくり」では、その他の事業として給食センター基本構想策定業務を盛り込んだ。市内の給食センターは現在、江戸崎学校給食センターと東学校給食センターの2カ所があるが、施設の老朽化が進んでいる。新施設は、これらを新たな場所に統合するもので、将来的には市内4地区に配給する。基本構想では、スケジュールや規模、建設地などを決定していく。

 「市民に寄り添った安心・安全なまちづくり」では、防災センターの整備計画などを盛り込んだ。利根川の氾濫などを踏まえ、避難所や防災倉庫などを兼ねた多目的な施設を整備するもので、建設地や施設概要の方向付けを行う。

 「ポストコロナを見据えた地方創生のまちづくり」では、子育て支援住宅の基本構想策定や、和田公園整備の実施設計などを盛り込む。子育て支援住宅は、稲敷工業団地の整備進捗などに合わせて、人口減少対策として市内への移住・定住を促進することなどを目的としたもの。建設地などは決定していないが、整備形態は戸建住宅タイプを想定しているという。

 和田公園は、霞ヶ浦を眺望できる旧桜川地区の浮島和田岬に位置する公園で、デイキャンプ場なども整備され、松林に囲まれた場所には炊事棟が設置されている。自転車道の整備などにより、霞ヶ浦を活用したレジャーの気運も高まりを受けて再整備を図る。実施設計委託料には3683万円を計上した。

 このほか、小中学校4校では、体育館や校舎棟、柔剣道場などの改修工事を計画する。このうち小学校には3億8827万円の事業費を予算化し、沼里小学校体育館(1985年建築、S造平屋800平方m)の非構造部材の耐震化や大規模改修工事を、あずま北小学校校舎棟(1979年建築、RC造3階建て、延べ2593平方m)では外壁等改修工事を行う。設計は、沼里小を相澤建築設計事務所(つくば市)、あずま北小を井川建築設計事務所(稲敷市)がまとめた。

 中学校には、東中学校の第一体育館(1986年建築、S造平屋1576平方m)の大規模改修工事と、桜川中学校柔剣道場(1983年建築、S造平屋534平方m)の屋根改修工事に総額3億6862万円を予算化。設計は、東中学校をマルハウス(牛久市)、桜川中学校を井川建築設計事務所(稲敷市)がまとめた。

 合併特例債対象事業費には6億3050万円を確保し、稲敷工業団地アクセス道路などを中心に整備を進める。昨年過疎指定を受けた桜川地区では、過疎対策事業として排水対策事業整備工事費1億万円を投じ、農地の灌水対策を進めるほか、市道(桜)1級4号線の舗装補修工事に1200万円を計上している。桜川総合運動公園では、野球場の長寿命化に向けたバックネット改修などへ実施設計委託料911万円を予算化している。

 水道事業会計では、江戸崎浄水場急速ろ過機更新工事や配水管の布設工事など、建設改良工事費に2億5116万円を確保するほか、下水道事業会計では、江戸崎地区の汚水管渠推進工事など、建設改良費に5億6559万円を投じる。

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