調節池9カ所整備へ 治水対策 貯留施設や排水路なども(栃木市)

[2022/5/18 栃木版]

 栃木市は、一級河川巴波川流域や一級河川永野川流域における治水対策を進める。市道路河川課によると、調節地の整備、放水路の整備、貯留施設の整備、ポンプ施設の設置、水路の改修などを実施していく。2022年度は、巴波川流域については旧赤津川流域で調節地の用地測量や用地取得、放水路の整備工事を、清水川流域で洪水解析業務、調節地の測量設計、雨水貯留施設の詳細設計などを計画。また永野川流域では、調節地の測量設計・用地測量・用地取得・工事を行う。

 市では、19年に発生した東日本台風において、市内を流れる巴波川や永野川で堤防の決壊や溢水が多数発生し、大規模な浸水被害が発生した。このため県は、永野川の復旧改良事業や巴波川の地下捷水路整備事業を進めている。あわせて市でも、普通河川や水路などで内水被害が発生していることから、治水対策を行うこととした。事業期間は2022~25年度で、事業費は概算で70億円を見込む。

 巴波川流域での治水対策について、普通河川旧赤津川流域では調節地や放水路の整備、普通河川清水川流域では調節地や公共施設を活用した貯留施設の整備、準用河川県庁堀流域では公共施設を活用した貯留施設の整備などを計画している。

 調節地は、巴波川流域全体で5カ所の整備を予定しており、整備地の詳細は未定としている。貯留施設は、公有の未利用地などを念頭に整備地を決めるという。

 旧赤津川流域の放水路は、野中町地内で延長100mを整備するとしており、第3四半期に発注を予定している。設計は、三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)が担当した。

 清水川流域では、洪水解析業務の結果を調節地の測量設計や、雨水貯留施設の詳細設計に反映させるとしている。

 永野川流域での治水対策は、排水施設(ポンプ施設)の整備、調節地の整備、ポンプ施設整備に伴う水路の改修などを計画している。

 永野川流域全体で、調節地は4カ所の整備を構想しており、整備地の詳細は未定。22年度は、1カ所の整備工事を第3四半期に予定しているが、詳細な規模や箇所などについては現在のところ調整を進めている。

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