千葉県企業局の山口新二局長就任インタビュー「建設業と危機管理体制強化」

[2022/5/31 千葉版]
 県企業局の山口新二局長が4月1日付けで就任した。本紙インタビューに応じ、安定的に給水するため、浄水場や給水場、管路の計画的な更新・耐震化を進めるとともに、東日本大震災や令和元年房総半島台風による本県への被害を踏まえ、災害対策にも積極的に取り組んでいく考えを示した。

 ──就任の抱負を。

 「これまで人事や組織など総務関係の部署に長く配属され、企業局は初めてだが、総合企画部の水政課長時代に県全体の水源や広域水道などを担当していた。企業局では上水道、工業用水道、造成土地管理の3事業を担う責務があり、身の引き締まる思いだ。これまで培ってきた知識やノウハウを生かし、約1200人の職員と一丸となって事業に取り組んでいきたい」

 ──県企業局の抱える課題は。

 「上水道事業は、安全・良質な水を安定してお客様に届けることが最大の使命。頻発するさまざまな災害や事故への備え、老朽化の進む施設の計画的な更新、サービスの向上などが課題として挙げられる」

 「工業用水道事業では、将来にわたり安定的に給水するため、施設の老朽化対策を進めるほか、大規模地震の発生に備えた耐震対策が喫緊の課題である」

 「造成土地管理事業では、土地造成整備事業から引き継いだ土地の分譲、貸付、管理などを進めている。保有する未処分土地の中には、面積が小さかったり、傾斜地であったりなどの不利な条件により、処分が難しい土地もあるため、これらの処分が課題となっている」

 ──重点的に進めたいことは。

 「上水道事業では、中期経営計画に基づき、浄水場や給水場の施設や管路について、計画的な更新・整備に取り組んでいく。特に、東日本大震災や令和元年房総半島台風による本県への被害を踏まえ、災害対策にも注力したい」

 「ちば野菊の里浄水場(第2期)施設整備事業では、栗山浄水場の浄水機能を全量移転することに併せ、オゾンを使った高度浄水処理の導入を推進している。お客様の利便性を向上させるため、キャッシュレス決済の導入や各種手続きのオンライン化にも取り組む」

 「工業用水道事業でも、将来にわたり安定的に給水するため、中期経営計画に基づき、浄水場や管路など各施設の更新・耐震化を計画的に進める。また、これまでの取組状況を踏まえ、年度内に次期中期経営計画を策定する」

 「造成土地管理事業では、来年春に予定されている幕張豊砂駅の開業により、回遊性・利便性が向上し、幕張新都心全体の更なる発展が期待されることから、周辺に保有する土地の利活用について、千葉市など関係団体と連携しながら検討していきたい」

 ──災害対策をどうする。

 「上水道事業では、地震対策として浄水場や給水場、管路などの耐震化に取り組んでいる。台風など風水害に対応するため、72時間対応可能な非常用自家発電設備に増強する停電対策や、防水扉などの設置による浸水対策を進めていく」

 「工業用水道事業でも浄水場で非常用発電設備の更新・設置、燃料タンクの増設を実施するとともに、止水壁の設置など停電・浸水対策を強化していく」

 ──企業局の新庁舎建設について。

 「企業局の庁舎は分散しており、災害対応の面でも課題となっていた。県庁近くの新都市ビル跡地に地下1階地上9階建て延べ1万3300平方m規模の新庁舎を建設する計画だ。知事部局も入る予定で、2025年度中の供用開始を目指している」

 ──建設業界に一言。

 「インフラの整備や防災の面でも、建設業界の役割は非常に大きい。災害時には地域や県民のため、昼夜問わず献身的に取り組んでもらっており、大変ありがたい。県水道管工事協同組合と非常時対応訓練を実施し、危機管理体制を強化していきたい。今後も県営水道のパートナーとして協力してほしい」

 プロフィル
 やまぐち・しんじ

 1985年3月に中央大学経済学部産業経済学科卒業後、県庁に入庁し、県土整備部都市計画課副課長や総合企画部水政課長、総務部総務課長などを経て、生活安全・有害鳥獣担当部長や教育次長を歴任し、4月1日から現職。趣味は最近購入したオフロードバイク。中学校の教科書を愛読しており、新たな発見があるという。好きな言葉は「努力は必ず報われる」。匝瑳市(旧八日市場市)出身、袖ケ浦市在住。1962年9月生まれの59歳。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.