来年度にも計画認定 都市公園のパークPFI 基本構想案を協議(県都市整備課)

[2022/7/7 栃木版]

 県都市整備課は6日、県庁で第3回「県都市公園民間活力導入基本構想策定委員会」(委員長・青木章彦作新学院大学女子短期大学部教授)を開催した。今回が最後の委員会となり、事務局がまとめた基本構想案を審議した。同課は委員から示された意見を踏まえて基本構想を作成し、近く公表する考え。また、本年度上半期にも「みかも山公園」と「とちぎわんぱく公園」の事業化検討に係るサウンディング調査に着手し、下半期にはPark-PFI事業の公募設置等指針を作成・公表する考え。この指針を基に公募して事業者を選考し、2023年度にはPark-PFI事業の基本協定締結と計画認定を行う方針となっている。

 県は県営都市公園の魅力向上を図るため、公募型設置管理制度(Park-PFI)をはじめとする民間活力導入を検討している。21年度からは、各公園のコンセプトや民間活力導入の実現可能性を踏まえた適性を評価して民間活力導入の基本構想を進めている。今回の委員会では、事業発案に係るサウンディング調査や公園の評価を踏まえて作成した基本構想案を示して、各委員から専門的な意見を聴取した。

 基本構想案は、県営都市公園9つのうち、管理者が県民公園福祉協会に特定されている日光田母沢御用邸記念公園を除いた8公園を対象とする。各公園ともに施設の老朽化や施設の陳腐化が進んでいる中、厳しい財政状況下でより効果的・効率的な公園施設の管理運営・整備が求められていることから、民間活力の導入を図るとしている。

 基本方針は、公園全体の管理運営を行う指定管理者と新たな民間事業者がともに県営都市公園の魅力向上を図っていくためには県営都市公園の「コンセプト」との整合をとることが重要になることから、本県としての明確な指針を示すため各公園の「コンセプト」と構想で位置付ける「目指す公園像」「求める機能」を整理した。

 民間活力の導入手法は、各公園の「求める機能」で想定される「対応イメージ」と「導入手法」を整理している。このうち、民間活力を先行的に導入していく候補として「みかも山公園」と「とちぎわんぱく公園」の2公園を選定。それ以外の公園についても、それぞれのコンセプトや課題、市場性などを適宜判断をしながら、今後の導入の可能性を引き続き検討していくとしている。

 なお、先行的に導入する「みかも山公園」と「とちぎわんぱく公園」は、年間を通して比較的安定的に多くの公園利用者数の実績がある。また、ヒアリングなどで民間事業者へ意向調査したところ、他の公園より多くの事業提案が見込まれることから選定された。「みかも山公園」ではカフェやレストランなど、「とちぎわんぱく公園」ではカフェやレストラン、BBQ・グランピング、大型アスレチックなどをイメージしている。

 委員からは、基本構想案の目次にPark-PFIと明示することや、先行的に導入する2公園を選定した理由を詳しく示すこと、関係市町との意見調整のうえ県が主体的に実施する旨を明記することを求める意見などが出た。県はこれら意見を踏まえて構想案を修正し、今月末にも基本構想を策定・公表する。

 今後は、あたらめて公募設置等指針の検討や民間事業者選定について協議する検討会を近く設置するとともに、本年度上半期中にもPark-PFI導入公園の事業化検討に係るサウンディング調査を開始する。

 本年度下半期には、Park-PFI事業に係る公募設置等指針を作成・公表。この指針を基に公募して事業者を選考し、2023年度にはPark-PFI事業の基本協定を締結して事業者の計画を認定するとしている。

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