公募手続きを開始 植物公園の一部で民間活力(水戸市)

[2022/7/26 茨城版]
 水戸市はこのほど、市植物公園における民間活力導入に係る公募を開始した。公募の対象となる区域は駐車場の一部などで、敷地面積は1万1700平方m。同地に建築面積1300平方m以内の施設などを整備することで、魅力向上と来園者の増加につなげていく。事業計画は9月30日まで受け付け、10月下旬にも事業者を決定。11月には事業者と協定を締結する。その後、事業者で工事などを行い、23年度中の供用開始を想定している。

  植物公園は花と緑の啓発普及と市民の憩いの場を提供することを目的に、1987年に開設した。21年4月には第1期リニューアルとして鑑賞大温室や熱帯果樹温室の大規模改修などを実施。本年度からは第2期リニューアルに向けて、基本構想などに取り組む予定となっている。

 この第2期リニューアルでは、多種多様な市民ニーズに対応する戦略が求められている。そこで市では、施設の魅力向上を図るために民間活力を活用することになった。新たなコンテンツを導入することで、来園者に更なる付加価値を提供するとともに、市内、県内はもとより、他県からの誘客など新たな来園者を掘り起こし、地域の魅力向上と活性化を目指していく。

 民間活力の導入に向けて市は昨年度に、事業者に対して意向調査を実施。民間事業者からは、カフェ・売店やグランピング施設などの提案があった。提案内容としては、▽地元食材を活かしたメニュー▽植物公園の展示テーマとコラボしたサービスの提供▽多様な遊び場の提供▽充実した機能を持つ管理棟の整備▽ペット同伴可能エリアの設置──などを盛り込んだ。想定される事業効果としては、植物公園全体の魅力向上や、コロナ禍におけるアウトドア志向の高まりにあった客層の取り込みなどが期待できるという。

 公募の対象区域は駐車場の一部の敷地約1万1700平方m。この区域内に、植物公園の魅力向上に寄与し、来園者がより一層すごしやすく滞在できる賑わいを創出する収益施設の提案を求める。設置可能な建築面積の上限は合計1300平方m以内に設定した。

 公園施設の設置許可期間は、工事着手から10年間に設定。また、事業者が希望する場合、さらに10年間を上限として期間を更新することができる。なお、当該期間には、設置した公園施設の解体と現状回復に必要な期間を含むことになる。

 施設整備にあたっては、ユニバーサルデザインへの配慮のほか、各種条例やガイドラインに基づいた計画とすること。また、公園や施設利用者の安全性に配慮した施設・夜間照明の配置、環境負荷低減、建設リサイクル環境保全などに配慮した提案を求めている。また、公募対象区域内のゲートボール場を含めて計画する場合、代替のゲートボール施設1面を市が指定する場所に整備することが求められる。

 参加資格は法人または法人のグループであること。また、公園施設で建築物の設計業務を行う者は、一級建築士事務所の登録を行っていること。工事を行う者は、建築一式または土木工事の建設業を許可を受けていることが求められる。なお、事業予定者に選定された場合、水戸市に本店、支店または営業所を有することが必要となる。

 募集要項に対する質問は29日までとし、事業計画の提出は9月30日まで受け付ける。10月には書類選考とプレゼンテーションを行い、10月下旬にも事業予定者を選定。その後、協定を締結し、設置許可新設や事業者による工事に着手する計画だ。なお、募集要項は、市ホームページからもダウンロードできる。

 公募に対する問い合わせは、市都市計画部公園緑地課(電話029-232-9214)まで。

 本年度から進める植物公園の第2期リニューアルでは、民間活用以外の事業も予定している。小吹清掃工場の解体・撤去後には、新たな入口と駐車場整備を進めるほか、園内景観の整備更新を実施していく予定だ。

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