県央地区で現地調査 大洗友部線BP整備など視察(県議会土木委員会)

[2022/8/20 茨城版]
 県議会土木企業立地推進委員会(長谷川重幸委員長)は8日、県央地区で現地調査を実施した。今回は茨城町で大洗友部線バイパスの整備事業、笠間市で茨城中央工業団地内の工場、水戸市の偕楽園公園での公園整備、ひたちなか市の茨城港常陸那珂港区でふ頭用地整備(II期)埋立工事などの視察を行った。水戸土木事務所や茨城港湾事務所の担当者らから説明を受けて、各事業の進捗状況を確認した。

 調査ではまず、茨城町小鶴地内で進めている大洗友部線バイパス整備の進捗を視察。同線は大洗町と笠間市を結び、茨城中央工業団地や北関東道茨城町西ICへのアクセス道路としての役割も担う重要な幹線道路。しかし、同線のうち、茨城町内の国道6号から西側の区間は幅員が狭いことに加え、屈曲部分が多く、円滑な交通に支障をきたしている。さらに、歩道が無い箇所も存在していることから、バイパス整備を進めている。

 これまでに工業団地内を含めた西側約4kmを供用。現在は工業団地から国道6号に繋がる東側の残る約3km区間について、早期供用を目指して整備を進めている。

 全体延長は6850m、幅員27mで計画。全体事業費は約95億円とし、進捗率は21年度末事業費ベースで89%となる。本年度には道路改良舗装工事や用地補償、埋蔵文化財発掘調査などを実施していく。

 視察では、担当者から事業の進捗や、工事で生産性向上を目的にICTを活用していることなどの説明を受けた。これに対し、各委員から事業の進捗や全線開通の見通し、ICT施工の特長などについて質問が出ていた。

 次に茨城中央工業団地(笠間地区)内にあるキヤノンモールドに移動し、工場の視察を行った。その際には、精密プラスチック金型の設計・製造などを見学した。

 続いて水戸市の偕楽園公園に移動し、公園の整備状況を視察。同園は19年11月の有料化を契機に、ハードとソフトの両面から更なる魅力向上を推進している。20年には偕楽園魅力向上アクションプランを策定し、偕楽園とその周辺地域と「日本を代表する通年型観光地」および「県民の豊かな生活を体感できる公園」とするため、整備を進めている状況にある。

 本年度は開園から180年を迎える記念イベントを実施するとともに、偕楽園保存活用計画と偕楽園魅力向上アクションプランを基本とし、偕楽園の歴史的・文化財価値を高めるため、板塀や駐車場の整備などを実施していく。事業費については、1億8100万円を確保している。

 また、パークPFI制度を活用した月池地区の整備も見学。この計画は偕楽園拡張部月池区域の約1.6haを対象に、迎賓機能を備えたパークレストランを整備するもの。レストランの整備状況などを視察した。

 最後にひたちなか市に移動し、茨城港常陸那珂港区整備事業を視察。茨城港は、首都圏のニューゲートウェイとして、北関東地域の経済・産業活動を支援するとともに、東京湾沿岸地域の港湾物流機能を補完する国際物流拠点として、重要な役割を担っている。

 このうち、国際海上コンテナターミナルを有する常陸那珂港区は、茨城港の中央に位置し、コンテナ・RORO航路を中心に多くの定期航路が運航されるなど、さらなる発展を続けている。現在は貨物の増加や港湾利用における効率向上に対応するため、中央ふ頭地区において、21年2月に暫定供用を開始した水深12m岸壁(D岸壁)の延伸や、背後のふ頭用地などの整備のほか、北ふ頭で荷役機械の更新を進めている。

 全体事業費は8224億円と試算し、進捗率は21年度末で62.4%となる。本年度の事業としては、県で中央ふ頭地区ふ頭用地・港湾関連用地整備や防潮堤整備、北ふ頭地区荷役機械更新を実施。直轄では、東防波堤整備や中央ふ頭地区水深12m岸壁(D岸壁)の延伸などを予定している。

 今回の県内調査について、長谷川委員長は「大洗友部線の整備は、ライフワークとして取り組んでおり、今回の視察で進捗が目に見えて分かった。今後は早期に開通できればと思う。また、工業団地での企業誘致も順調に進んでおり、いち早く国道6号から工業団地までのアクセス道路が整備されることを願っている」などとコメントしている。

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