河川の浸水対策を 知事に予算編成で要望活動(水戸市)

[2022/8/23 茨城版]
 水戸市はこのほど、高橋靖市長をはじめとする幹部職員らが県庁に大井川和彦県知事を訪ねて、県事業の促進や市への支援などについて、来年度の県予算編成に反映する要望活動を行った。要望事項数は32項目97事業となった。重点要望には「こども・子育てに係る支援」と「学校教育の充実に向けた支援」、「河川改修事業の促進」、「主要道路の整備促進」の4項目を掲げ、県の支援と協力を求めた。このうち、建設業関連では、市内8河川での浸水対策に向けた整備促進のほか、2路線の整備による交通渋滞解消を要望した。あわせて、新型コロナウイルス感染症と原油価格・物価高騰への対策に係る要望も行った。

 冒頭には高橋市長が大井川知事に要望書を手渡したうえで、予算編成に向けて特段の配慮を求めた。

 建設業関連の重点要望をみると、河川改修事業の促進では、田野川や沢渡川など8河川での浸水被害を踏まえた一層の整備促進を要望した。

 市では治水上の安全性を高めるため、市管理河川の改修や都市下水路・排水路の整備とともに、貯留機能の強化として調整池などの整備に取り組んでいる。また、桜川(沢渡川)流域における浸水被害軽減プランに基づき、浸水被害の早期解消などにも取り組んでいる。

 しかし近年、自然災害が激甚化・頻発化していることを受け、国・県・市の連携した更なる治水対策が求められていると指摘。今回の要望では、▽田野川▽沢渡川▽石川川▽西田川▽境川▽桜川▽新川▽涸沼前川──の8河川での改修を求めた。

 主要道路の整備促進では、都市計画道路中大野中河内線と赤塚馬口労線の整備促進を要望した。水戸市では、主要な国・県道が中心市街地に集中しているため、交通混雑が発生。そこで、都市機能を高めるとともに、都市圏における広域的なネットワークの形成に向けて、環状道路をはじめとした社会経済活動を支える主要道路の整備が急務だと説明した。

 このうち、都市計画道路中大野中河内線では、▽国道123号交点から国道50号交点▽水戸神栖線交点から幹線市道3号線交点▽中石崎水戸線交点から市道上大野9号線交点▽那珂川に架かる橋梁および橋梁影響区間──の4カ所を要望。赤塚馬口労線では、赤塚駅北口駅前広場交点からJR常磐線水戸街道踏切古典までの箇所について、整備促進を求めた。

 重点要望以外の新規項目をみると、水戸駅前三の丸地区第一種市街地再開発事業では、整備に対する補助を要望した。この事業は水戸駅北口に県都水戸の玄関口にふさわしい市街地活性化に寄与する交流拠点づくりを図るもの。区域面積は約1haとし、同地にマンションと商業・業務棟、立体駐車場などを建設していく。事業期間は26年度までとし、総事業費は103億8000万円に設定している。

 社会資本総合整備事業(都市公園事業)では、本年度から新たに植物公園の整備に対する補助を追加した。同園では本年度から第2期リニューアルに着手する。内容としては、小吹清掃工場の解体・撤去後、新たな入口と駐車場整備を進めるほか、園内景観の整備更新、民間活力導入などを予定。23年度には大塚池公園と七ツ洞公園、東部公園、保和苑、植物公園で合計11億6950万円の整備費を試算している。

 通学路緊急対策(通学路整備)では浜田7号線外2路線ほか5路線の整備に対する補助を求めた。この事業は昨年の千葉県八街市での事故を受けて実施した通学路の調査をもとに、整備を行うもの。事業期間は26年度までとし、総事業費は10億3880万円に設定した。23年度には通学路整備に1億6000万円を試算した。

 今回はこれらの要望に加え、新型コロナウイルスと原油価格・物価高騰への対応に関する要望も実施。内容には、▽感染症の再拡大防止に向けた支援の拡充▽地域経済の回復に向けた支援の継続▽市民生活の安定化に向けた支援の継続▽地方自治体に対する継続的な財政支援──などを盛り込んだ。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.