幼稚園で統合改修 公立幼児施設の整備計画(稲敷市)

[2022/8/25 茨城版]
 稲敷市は、本年度から10年間を計画期間とした「市公立幼児施設整備計画(22-31年度)」を進めている。計画では、ゆたか幼稚園と統合するみのり幼稚園の改修工事や、桜川こども園では複合化も視野に入れた移転建て替えなども視野に入れている。

 市の幼児期教育ではこれまで、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものとして、学校教育法第22条に規定する目的の達成などを基本的な考え方にして進めてきた。しかし、教育・保育ニーズのバランスの変化、人口減少や少子化による幼児(0~5歳)の減少、施設の老朽化などの課題に対応するため、適切な施設配置および維持管理が必要となっている。

 市内の幼稚園や保育園で認定こども園への移行が進められる中、15年には新利根地区で公立新利根幼稚園を民間事業者に移行する案が検討されたが、保護者の合意形成に至らず現状のままとなっている。市の公立幼児施設では、09年に整備されたこども園えどさきを除いて、すべての園で老朽化が進行。大規模改修(長寿命化)の検討が必要となり、特に新利根幼稚園園舎では老朽化が著しい状況だという。

 このような状況を受け、19年には市民や地域、民間事業者、行政職員で構成する市幼児施設設置協議会を立ち上げ、市の公立幼児施設の設置・適正な配置についての協議を開始。本年3月に協議結果が協議会から答申され、市公立幼児施設整備計画としてまとめた。

 整備計画では、▽ゆたか幼稚園▽みのり幼稚園▽認定こども園えどさき▽桜川こども園──の4施設について、統廃合や閉園など、今後の計画を定めた。

 それによると、新利根幼稚園では、園児数の減少による小規模化および施設の老朽化を踏まえ、新利根幼稚園は24年度で閉園とする。23年度以降の新利根地区の園児の受け入れについては、民間の認定こども園つばさや、認定こども園えどさきに移行していくとした。

 ゆたか幼稚園では、園児数の減少による小規模化および施設の老朽化を踏まえ、24年度で閉園し、みのり幼稚園と統合する。23年度以降の管内園児の受け入れについては、みのり幼稚園や認定こども園えどさきに移行していくとした。受け入れ先となるみのり幼稚園では、統合による園児数増加への対応や将来の官民連携によるこども園化を見据えた改修工事を実施するとした。

 桜川こども園では、園児数の減少による小規模化や施設(幼稚園舎)の老朽化、さらには地理的要因を踏まえ、子育て支援センターやその他施設との複合化等も視野に入れた移転建て替えを明示。ただし、園の急激な小規模化の進展など、今後の状況の変化に応じて柔軟に対応するとした。

 整備スケジュールによると、みのり幼稚園ではこども園化や民営化の検討を行った上で、24年度に改修設計、25年度に改修工事を行い、民営化の準備を進めていく。桜川こども園については、改修や移設、複合化施設の検討を進めていくとしている。

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