国補事業に53億円 鵜の岬などで民間活力を検討(県補正)

[2022/8/26 茨城版]
 大井川和彦知事は25日、県庁で記者会見を開き、9月1日に開会する定例会の提出議案を明らかにした。このうち、一般会計補正予算案には117億7500万円を追加し、総額を1兆3051億8300万円とする。主なものでは、アクセス道路の整備や橋梁の耐震補強、高潮対策などといった国補公共事業に53億5400万円を充てる。また国民宿舎鵜の岬を含む伊師浜国民休養地と大洗マリンタワーでの民間活力導入に向けての市場調査の委託料や、建設資材の高騰に対応するための経費などを盛り込んだ。このほか、来年度の公共工事の平準化を目的に、15件の工事請負契約で債務負担行為を設定している。

 今回の補正は、コロナ禍における原油価格・物価高騰などへの対応として、低所得の子育て世帯への支援や飼料・肥料高騰に直面する農業者への支援を行うほか、防犯対策の強化、社会資本の整備など、県政の課題へ対応するために必要な事業について予算を計上した。

 主な事業のうち、建設業関連では、国補公共事業に53億5400万円を予算化。このうち、地方道路整備事業(道路改良)には14億9000万円を配分した。これは圏央道ICや港湾、工業団地へのアクセス道路の整備を行うもので、国道354号境岩井バイパスや大洗友部線ほか36カ所での工事を予定する。

 地方道路整備事業には7億7700万円を計上。緊急対応が必要な橋梁修繕や耐震補強を行うもので、対象は国道408号長豊橋ほか30カ所となる。津波・高潮対策事業には15億9600万円を確保。常陸那珂港海岸など3カ所で防潮堤の整備を行う。このほか、河川と港湾、公園、下水道、住宅事業で合計14億9100万円を配分した。

 県単公共事業費は9億3100万円を予算化した。このうち、資材高騰対策には6億7000万円を充てる。これは建設資材の価格上昇に伴い、縮減された事業量を確保するための経費となる。また、緊急対応が必要な道路や河川の修繕に2億6100万円を確保した。事業箇所は深芝浜波崎線や宮戸川など4カ所となっている。

 観光施設民間活力導入検討事業には2200万円を予算化。この事業はアフターコロナを見据え、県内観光地へのさらなる誘客を促進するため、県有観光施設の魅力向上に向けたマーケットサウンディング調査を実施する。

 調査の対象となる施設は伊師浜国民休養地と大洗マリンタワーの2施設。このうち、伊師浜国民休養地の敷地は約16.5haとなり、国民宿舎鵜の岬や海鵜の捕獲場、鵜の展示施設、遊歩道などを配置。また、大洗マリンタワーでは、タワーと広場の約9000平方mが対象となる。これらの施設について、民間事業者との対話を行うことで、民間活力導入が可能かどうか検討していく。年度内にも事業者の提案を整理し、実現の可否を判断する見通しだ。

 いばらきエネルギーシフト促進事業では7億1300万円を予算化。この事業は、再生可能エネルギー導入のための設備整備を行う事業者への支援を行うもの。コロナ禍で原油価格などが高騰していることを受け、県内産業のエネルギー転換を図ることを目的とする。6月補正から事業を開始したが、応募状況が好調であるため、募集枠を拡大することになった。

 このほか、米平公共育成牧場災害復旧費に1800万円、児童福祉施設等災害復旧費に100万円などを盛り込んだ。

 債務負担行為では、来年度の公共工事の平準化を図るために設定した。対象は15件となり、限度額は合計で41億2000万円となっている。

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