商業施設に13億円 旧イトーヨーカドーを取得(日立市補正)

[2022/9/2 茨城版]
 日立市は、1日に開会した定例市議会に、29億7083万円を追加して総額を773億0566万円とする一般会計補正予算案(補正第4号)を提案している。このうち、主なものでは、日立駅前大型商業施設関連経費として、旧イトーヨーカドー日立店の取得などに総額12億9324万円を予算化した。取得後は新たな商業施設として整備を行い、23年4月末のオープンを目指す。

 旧イトーヨーカドー日立店は、1991年10月に営業を開始し、本年1月に閉店した。敷地面積は1万5386平方m、建物は3棟(日立ショッピングセンター本館、ピタッチ館、立体駐車場棟)を合わせて延べ7万0743平方mで、このうち本館はRC造地下1階地上5建て延べ3万6969平方mとなっている。

 閉店後から現在は、地下から3階までが空き床となっている状況にある。市では駅前地区の空洞化を解消するため、後継テナントの誘致などを進めてきた。こうした中、本年2月には土地建物の所有者(三菱UFJ信託銀行)から土地建物売却の打診が市にあり、売却先が決定しない場合などの影響を検討した結果、市が建物と土地を取得してテナントを誘致するなど、新たな商業施設を核に中心商業業務ゾーンとしての位置づけを明確化することとした。

 今回の補正では、建物や用地の取得費に9億5000万円、誘致したテナント事業者への出店補助に2億円などを計上したほか、管理を民間委託するための管理業務委託2億9950万円の債務負担行為を設定する。建物と用地の取得に合わせ、街区の安全性の確保や利便性の向上とイメージアップを図るため、市道3194号線の改修工事(延長123m、A1230平方m)も行い、アスファルト舗装工事費として7000万円を予算化する。

 また、会瀬町にある福祉プラザが耐震性や老朽化の問題を抱えていることから、今回取得するピタッチ館3階には社会福祉協議会やシルバー人材センターを移転する計画で、改修などの関連経費として7288万円の補助金を計上した。市では今後、食品スーパーと生活雑貨以外のテナント誘致を進めるほか、改修工事やテナントの内装工事を行い、23年4月28日のオープンを目指すとしている。

 このほかの補正では、地域密着型サービス施設等の民間施設整備費補助金に2265万円を予算化し、東大沼町の認知症高齢者グループホーム「グループホームあさがお」と森山町の小規模多機能型居宅介護事業所「まごころの里大みか」の開設準備に補助を行う。また、老人福祉施設等の民間施設整備補助金には6712万円を確保し、千石町の介護老人保健施設「藍」の開設を支援する。

 平和通りやかみね公園では、ガバメントクラウドファンディングによる桜の更新に工事費1035万円、小木津山自然公園では、進入路の整備工事で次年度分(延長130m)を前倒しするため、工事費4475万円を増額する。

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