普通教室が100%に 公立学校施設の空調設置状況(文部科学省)

[2022/10/7 茨城版]
 文部科学省はこのほど、9月1日現在で公立学校施設における空調(冷房)の設置状況をまとめた。幼稚園や特別支援学校などを含んだ小中学校等(18年度補正予算でブロック塀・冷房設備対応臨時交付金の対象となった学校種)では、普通教室が95.7%となり、前回調査(20年9月1日)の93%から2.7ポイント上昇した。本県では、前回の調査時に100%を達成したほか、特別教室は75.5%、体育館などでは2.6%となっている。

 この調査は、全国の公立学校施設(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校)を対象に調査しているもの。調査項目は普通教室と特別教室、体育館の空調(冷房)設備の設置状況とし、1998年度から開始された。その後はおおむね3年に一度の調査を行っていたが、18年に発生した小学校での熱中症事故を受け、フォローアップの意味合いも含めて調査を行っているほか、調査対象として災害時の避難所にもなる体育館なども加えた。

 調査結果によると、小中学校等では、普通教室が全保有室数42万7891室あるうち、40万9621室が空調(冷房)設備を設置し、設置率は95.7%となった。特別教室等では、全保有室数39万1781室のうち24万8022室で、設置率は前回調査時(57.5%)から5.8ポイント増えて63.3%となった。

 体育館等では、全保有数3万5437室のうち5422室に設置され、設置率は前回調査時(9%)から6.3ポイント増えて15.3%。災害時の調達協定などにより緊急時には外部より空調設備を確保可能としている室数を含めると8763室となり、その確保率は24.7%に達している。

 このほか、高等学校における普通教室の設置率は94.1%で前回調査時(87%)から7.1ポイントの増加、特別教室等の設置率は53%で、前回調査時(46.8%)から6.2ポイントの増加となった。

 本県の設置率を見ると、小中学校では普通教室の全保有室数9554室のうち、9551室に設置され、設置率はほぼ100%。100%に達していないのは那珂市、神栖市、阿見町の3市町となっている。特別教室では全保有室数8272室のうち、6165室に設置され、設置率は74.5%、体育館等は全保有室数842室のうち22室に設置されて設置率は2.6%、協定等を含む確保室数は134室で、確保率は15.9%となった。このほか、高等学校では普通教室が設置率100%、特別教室が同54%、体育館等が同31.9%(確保率32.6%)などとなった。

 本県の市町村のうち、設置率74.5%となった特別教室を見ると、設置率100%を達成したのは土浦市と古河市、常総市、牛久市、稲敷市、かすみがうら市、行方市、鉾田市、茨城町、大洗町、城里町、東海村、美浦村、河内町、境町となった。一方、設置率が低いのは、那珂市の28.9%、北茨城市の29.1%、常陸太田市の31.8%などとなっている。

 このうち、28.9%に留まっている那珂市については、図書室やコンピュータ室への設置は全校で完了しているという。今後は学校からの要請なども考慮しながら、整備を進めていくもようだ。

 また、31.8%となった常陸太田市でも図書室やコンピュータ室への設置は完了している。現在は、中学校が美術室、小学校が理科室への設置を急いでいるところだという。中学校については、部活動などによる使用頻度を踏まえて、美術室や音楽室への設置を進めるもようだ。

 文科省では、学校施設の空調整備に対し、大規模改造(空調〔冷暖房設備〕整備)事業による学校施設環境改善交付金を通じた支援を行っている。大規模改造事業の中で、空調(冷暖房整備)も補助率3分の1(財政力指数1.00超の自治体は7分の2)の補助対象となり、設備の新設や更新に要する経費や関連工事が対象となる(リース契約によるものは対象外)。体育館への空調設置については、建物の断熱性を確保していることが要件となるため、断熱性の無い体育館では空調設置と併せて行う断熱性確保のための工事費も補助対象となる。

 同省では、今後も各地方公共団体からの相談には丁寧に対応し、児童生徒や教職員の安全・安心の確保のための取り組みが進むよう、財政面も含め、引き続き支援していくとしている。

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