物価高騰への支援を 4団体連絡会議で県に要望活動

[2022/11/3 茨城版]
 地方自治4団体連絡会議(代表・染谷森雄町村会長)は10月28日、県市町村会館で「4団体と知事との県政要望に関する懇談会」を開催した。このなかで連絡会議から大井川和彦知事に対し、4分野15項目71件におよぶ23年度の県政に対する要望書を提出。重点要望事項には、物価高騰の影響を受ける地域経済などへの支援や地域医療体制の整備促進を盛り込んだ。あわせて、河川や道路、橋梁関係で計150カ所の整備促進を求めた。

 同連絡会議は、県市長会(会長・山口伸樹笠間市長)と県市議会議長会(会長・須田浩和水戸市議会議長)、県町村会(会長・染谷五霞町長)、県町村議会議長会(会長・飯田英樹大洗町議会議長)の4団体で構成。懇談会には、連絡会議側から構成する4団体の正副会長や顧問らが出席。県執行部側からは大井川知事と小野寺俊副知事、横山征成副知事をはじめとする幹部職員が出席して、連絡会議からの要望に耳を傾けた。

 要望に先立ち、あいさつに立った染谷会長は企業誘致や医師確保など、県の取り組みに触れたうえで、「大井川知事にはさらなる魅力向上と、ウィズコロナ時代の新しい茨城づくりに向けて、全力で各施策を推進してほしい。我々市町村としても、県と連携を密にしながら、茨城の発展にまい進していく」と述べた。

 4団体が取りまとめた要望については、県の総合計画と連動しており、▽新しい豊かさ▽新しい安心安全▽新しい人財育成▽新しい夢・希望──の4分野で構成し、いずれも現下の市町村の最重要課題として重点的な取り組みを要望するとともに、特に早急な対応を求める3項目を重点要望項目として説明した。

 重点項目は、▽物価高騰の影響を受ける地域経済への支援▽地域医療体制の整備促進▽部活動の地域移行──となる。このうち、物価の高騰では、地域住民に加えて、中小企業や小規模事業者、農林業業者などにも深刻な打撃を与えていると説明。今後も予断を許さない状況が続くと見込まれることから、県に対して機動的かつ弾力的な支援を求めた。

 重点項目以外の新規項目では、「新しい安心安全」の県民の命を守る地域保健・医療・福祉の項目で、保健所の機能強化を要望。保健所は地域保健の広域的な役割を担っていることを指摘し、老朽化した庁舎整備にあたっては、交通アクセスなどの社会環境を考慮することを求めた。

 また、安心して暮らせる社会の項目では、太陽光発電施設の適正な設置と管理に伴う指導を強化する仕組みづくりを要望した。これは、再生可能エネルギーが拡大する一方、景観や自然環境への影響、安全に対する不安から、地域住民と事業者間のトラブルが増加しないための処置として提案している。

 「新しい人財育成」の魅力ある教育環境の項目では、学校施設整備の財源確保を要望。学校施設は生徒の学習・生活の場であるとともに、災害発生時には地域住民の緊急避難場所としての役割を果たすと指摘。そこで、市町村が学校施設整備を行うにあたり、学校施設環境改善交付金についてさらなる財源を確保するよう国へ働きかけることを求めた。

 また、河川や道路、橋梁関係の要望箇所は合計150カ所となった。このうち、新規分は、8カ所となる。内訳をみると、河川改修事業の促進では、潮来市が前川改修事業を要望した。

 国道では、常陸大宮市が国道118号(岩崎地内)の整備促進を求めた。また、県道では土浦市が館野荒川沖停車場線の現道拡幅整備促進、笠間市が石岡城里線(友部地区および岩間地区)の整備促進、常陸大宮市が常陸大宮御前山線(若林地内)の整備促進を要望している。

 このほか、都市計画道路については、つくば市が境松西平塚線および新都市中央通り線の立体交差化などによる渋滞対策を求めた。橋梁関連では、土浦市が乙戸橋の早期架け替え、潮来市が前川に架かる市道橋の架け替えと財政支援を新たに要望している。

 要望内容説明後には、意見交換を実施。それぞれの立場から、県政発展に向けて忌憚のない意見を交わした。

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