思川で床固工など 12月補正 砂防施設づくりに13億円(栃木県砂防水資源課)

[2023/1/14 栃木版]

 県砂防水資源課は、砂防事業における12月補正予算の配分箇所をまとめた。砂防施設づくり事業には13億3200万円、ダム施設保全事業には1億9600万円の、あわせて15億2800万円を追加している。砂防施設づくり事業のうち、砂防事業は27カ所に7億4500万円を、急傾斜地崩壊対策事業は14カ所に5億2700万円を配分。またダム施設保全事業では、6ダムの警報設備更新などに1億8200万円を計上している。新規箇所は、砂防で桑原一号沢など7カ所、急傾斜地で山根IAなど2カ所で、前倒して22年度から測量や設計に着手する。

新規は砂防7カ所、急傾斜2カ所

 砂防施設づくり事業は、下流域へのライフラインや重要交通網の保全、高齢・障害者といった要配慮者施設が立地する箇所などの対策として、県が重要整備箇所として位置付けている203カ所について優先度を考慮して抽出し、緊急対応を行うもの。

 主な箇所として、鹿沼市上粕尾の思川上流は引き続き床固工を施工するほか、用地補償を推進する。また、那須塩原市笹沼の蛇尾川では帯工を、足利市月谷町の五十部四号沢では堰堤工と工事用道路の整備を進める。

 新規箇所は、桑原一号沢(宇都宮市石那田町)、山際沢(鹿沼市下永野)、山際二号沢(同)、天頂沢(塩谷町船生)、上瀬場沢(大田原市須佐木)、馬口沢(那珂川町大内)、矢竹沢(佐野市作原町)の7カ所で、いずれも砂防堰堤1基を整備する計画。前倒して本年度から、測量調査や設計などを実施する。

 急傾斜地崩壊対策事業は、地すべり対策も含め14カ所で事業を進める。茂木町の鮎田と栃木市岩舟町の山下Aは待受け式防護柵工を、行人塚峠I-Aは法面対策で法枠工をそれぞれ施工する。このうち新規は山根IA(真岡市西田井)と城間I-C(那珂川町松野)の2カ所で、いずれも擁壁工を計画。事業は27年度までの予定で、本年度は測量調査、設計に着手する。

 砂防施設づくり事業ではこのほか、ソフト対策事業として看板設置や長寿命化調査などを実施するため、補正から6000万円を配分する。

 ダム施設保全事業は、三河沢ダムのダムコン更新、西荒川ダムの観測・警報局舎更新、塩原ダムの多重無線用電源設備改修、寺山ダムの観測機器更新、東荒川ダムの受変電設備更新、松田川ダムの放流警報設備新設、および無線設備更新設計を計画し、事業費1億8200万円を予算化した。

 三河沢ダムのダムコン更新は、22年度と23年度の2カ年で実施しており、補正の追加分は23年度事業費に充当する。このほか、堆砂対策の検討に1400万円を確保し、三河沢ダムの堆積土除去で貯水池への新たな進入路を整備するための設計を策定する。

 砂防事業における22年度補正の新規箇所は次の通り。(▽箇所名・所在地=[1]事業内容[2]総事業費[3]工事期間[4]保全対象[5]22年度補正実施内容)
【砂防】
▽桑原一号沢(宇都宮市石那田町)=[1]砂防堰堤1基[2]2.0億円[3]2023~27年度[4]桑原多目的研修集会施設(公共施設)、小来川文挟石那田線(延長230m)、人家5戸[5]測量調査、設計
▽山際沢(鹿沼市下永野)=[1]砂防堰堤1基[2]1.5億円[3]2023~27年度[4]山際多目的集会センター(公共施設)、栃木粕尾線(延長300m)、人家28戸[5]測量調査、設計
▽山際二号沢(鹿沼市下永野)=[1]砂防堰堤1基[2]1.5億円[3]2023~27年度[4]山際多目的集会センター(公共施設)、栃木粕尾線(延長270m)、人家35戸[5]測量調査、設計
▽天頂沢(塩谷町船生)=[1]砂防堰堤1基[2]2.5億円[3]2023~27年度[4]宇都宮大学付属演習林(公共施設)、国道461号(延長210m)、人家11戸[5]測量調査、設計
▽上瀬場沢(大田原市須佐木)=[1]砂防堰堤1基[2]2.0億円[3]2023~27年度[4]須佐木上組公民館(公共施設)、大子黒羽線(延長170m)、人家10戸[5]測量調査、設計
▽馬口沢(那珂川町大内)=[1]砂防堰堤1基[2]1.6億円[3]2023~27年度[4]大畑会館(公共施設)、矢又大内線(延長140m)、人家2戸[5]測量調査、設計
▽矢竹沢(佐野市作原町)=[1]砂防堰堤1基[2]3.0億円[3]2023~27年度[4]野上中地区簡易水道浄水場(公共施設)、作原田沼線(延長200m)、人家9戸[5]測量調査、設計
【急傾斜】
▽山根IA(真岡市西田井)=[1]擁壁工(延長230m)[2]2.5億円[3]2023~27年度[4]西田井山根公民館(公共施設)、人家9戸、市道(延長100m)[5]測量調査、設計
▽城間I-C(那珂川町松野)=[1]擁壁工(延長100m)[2]1.0億円[3]2023~27年度[4]武茂体育館(避難場所)、人家1戸[5]測量調査、設計

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