九十九里・南房総水道事業の統合協議会 基本計画骨子素案を了承(千葉県ら)

統合の必要性を述べる熊谷会長

統合の必要性を述べる熊谷会長

[2023/1/17 千葉版]
 千葉県九十九里地域・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合協議会(会長・熊谷俊人知事)の第3回会合が16日、ウェブ方式で開かれた。事業運営の指針となる統合基本計画の骨子素案について協議し、了承された。3月にも施設整備計画などを盛り込んだ素案をとりまとめる方針だ。

 熊谷会長は「将来にわたり、住民に水を安定的に供給していくため、この統合は必要」と強調。2023年度中に統合基本計画を策定し、25年4月の統合を目指して、着実に進めていく考えを示した。

 協議会は非公開で行われた。統合後の事業運営の指針である統合基本計画に記載する項目や概要をとりまとめた骨子素案を協議するとともに、暫定版として作成した両地域の水需要予測について報告した。

 委員からは、統合の必要性は十分に認識しているため、全ての関係団体が納得する形で、丁寧な協議を進めていくことを求める意見が出されたという。

 「九十九里・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合に向けた基本計画策定・認可申請書類作成支援業務」は日水コン(東京都新宿区)が担当している。

 業務内容は▽各事業体の現状分析(評価)▽課題の整理▽水需要予測▽施設整備計画の検討▽管理体制の検討▽財政収支計画の検討▽統合基本計画の策定▽認可申請書類の作成▽協議会の運営支援──など。

 このうち施設整備計画の検討では、整備方針を踏まえ、九十九里地域水道企業団と南房総広域水道企業団から既存の施設整備計画などの情報を収集。統合後約30年間を検討対象とし、約20年間の施設整備計画をとりまとめる。履行期間は25年2月28日まで。

 本県は水源を確保することが不利な地域となっており、人口減少が見込まれる中、将来にわたり水を安定供給するため、水道事業体の経営健全化や技術の確保、施設の更新などの課題を解決する必要がある。

 個々の水道事業体の経営努力では、これらの課題を解決することが難しいため、リーディングケースとして、九十九里地域と南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合に取り組んでいる。

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