事業期間を2年延長 那珂川と久慈川の緊急治水プロ(関東整備局)

[2023/4/22 茨城版]
 国土交通省関東地方整備局では、那珂川や久慈川などの管内4水系(入間川、那珂川、久慈川、多摩川)で進めている緊急治水対策プロジェクトで、事業期間延長や事業費を増額した。事業期間は那珂川と久慈川ではそれぞれ2年間延長して26年度までとするほか、事業費は那珂川が約147億円増の約813億円、久慈川が約297億円増の約647億円にそれぞれ増額するなど、4水系で総額約508億円(改良復旧約474億円増、災害復旧約34億円増)を増額し、総額を約2054億円とする。23年度は、引き続き河道掘削などの改良復旧を進めていく。

 4水系の緊急治水対策プロジェクトは、19年に発生した台風第19号による甚大な被害を受けて19年度からスタート。当初の計画期間は19-24年度の5年間で進めることとしていたが、新型コロナウイルスの影響や用地買収交渉など地元調整の遅れから事業期間を延長した。また、地質調査結果による構造変更や土質調査結果による土質改良の増などから、事業費を増額している。

 那珂川では、「地域が連携し、多重防御治水により、社会経済被害の最小化を目指す」を掲げ、▽多重防御治水の推進▽減災に向けた更なる取り組みの推進──の2点を主な取り組みとして、河道掘削や遊水池、堤防整備を進めている。今回、事業費を約813億円(国約669億円、県約144億円)に増額。内訳は災害復旧に約219億円、改良復旧に約594億円を投じる。

 2月末現在の進捗状況は、堤防工事が27%、河道掘削工事が29%、遊水池工事が9%、霞堤工事が0%となっている。総延長12・8kmで計画する堤防工事のうち、中流区間の約4.4kmでは、野口・下伊勢畑地区(常陸大宮市)と下江戸・下圷地区(那珂市・城里町)ともに設計が約100%に近く、工事では野口・下伊勢畑地区で24%、下江戸・下圷地区で32%の進捗率となっている。下流区間の約8・4kmでは、吉沼地区(水戸市)と大野地区(水戸市)、勝田・栄町地区(ひたちなか市)の3地区では、設計が97%以上、工事が吉沼地区で0%、大野地区で57%、勝田・栄町地区で10%となっている。

 約240万立方mで計画する河道掘削では、河道掘削設計が75%、河道掘削工事が29%まで進捗したほか、下境地区(栃木県那須烏山市)の霞堤整備では、霞堤設計が98%、霞堤工事が0%と進捗となった。常陸大宮市と城里町で行う大場遊水地では、設計で93%、工事で9%となっている。大場遊水地では、22年度から遊水池の排水門新設工事(施工は三井住友建設)や排水門ゲート設備工事(施工は日立造船)、小場地区の周囲堤築堤工事(施工は清水建設)に着手し、23年度も引き続き工事を進めていく。

 一方久慈川では、那珂川同様に、▽多重防御治水の推進▽減災に向けた更なる取組の推進──を掲げ、本水からの越水防止を目指して、河道掘削や堤防整備、霞堤整備などを進めている。全体事業費は約647億円(国約631億円、県約16億円)を投じ、内訳は災害復旧に約112億円、改良復旧に約535億円。上流部や支川の浅川などの県管理区間では、国が権限代行により河道掘削、堤防整備などの治水対策を行っている。

 2月末現在の進捗状況は、国管理区間で設計が96%、約132万立方mで計画する河道掘削工事が28%、約11.8kmで計画する堤防整備工事が10%となった。権限代行区間では、設計が75%で、約89万立方mで計画する河道掘削工事が14%、約15.9kmで計画する堤防整備工事が10%としている。23年度は、引き続き堤防整備や河道掘削などの改良復旧、霞堤の保全と整備、越水・決壊検知機器の活用による情報提供の迅速化を進めるとしている。

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