第5工場が8月着工 宮城県 東松島市と立地協定締結 第6工場にも意欲(サワ)

[2023/7/5 宮城版]

左から協定書を手にする山口社長、渥美市長、本多常務

左から協定書を手にする山口社長、渥美市長、本多常務

 半導体製造装置部品の加工・製造を手がけるサワ(山梨県上野原市、山口能史代表取締役)は、東松島市大塩地区の「グリーンタウンやもと工業団地」に第5工場を建設する。施工はダイエープロビス(新潟県長岡市)が担当。8月10日に地鎮祭を執り行って着工し、2024年9月の竣工、同年12月の稼動開始を予定する。投資額は約15億円で、うち工事費が約10億円。

 建設場所は同工業団地のK区画の一部(大塩字緑ケ丘4丁目4-3他)で、敷地面積が約1.9ha。第5工場はS造2階建て延べ3996平方mの規模。建築面積は3151平方m。1階に工場、2階に事務所を置く。敷地内にはフットサルコート2面を整備し、地域住民にも使ってもらう予定だ。

 第5工場では半導体製造装置の部品を加工・製造し、東京エレクトロングループに供給する。従業員は50人程度を採用する考え。

 建設事業費は国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用する。工事費以外では、工作機械の導入費に約3億円、土地の取得費に約2億円を見込む。

 4日にはサワと東松島市、同工業団地の土地を所有する小松製作所の3者で立地協定書を取り交わした。市役所で開かれた協定締結式には、サワの山口社長、渥美巖東松島市長、小松製作所の本多孝一常務執行役員が出席した。

 協定書には工場の稼働に必要な各種許認可の手続きが円滑に進むように市が協力することや、小松製作所がサワとの土地売買契約に基づき所有地を引き渡すこと、サワが東松島市の経済振興に協力することなどを定めた。

 渥美市長は、品質基準が厳しい半導体産業の中にあって、昨年12月にサワが東京エレクトロンからエクセレントパートナー表彰を受賞したことを紹介。東京エレクトロンと一緒に仕事を行っている国内約1000社の中で最も貢献ある企業に選ばれたことを称賛し、「まさに宮城県を代表する半導体の企業に成長した」と述べ、「第6工場(の立地も)もぜひお願いしたい」と期待した。

 山口社長は、2010年10月に東松島市と最初の立地協定を結んで第1工場を建てた時に従業員が4人だったものの、今では110人を地元から雇用するに至ったことを伝え、最終的には第6工場も建てて「200人近くを雇用し事業を展開したい」と意欲を示した。売上は100億円が目標という山口社長は「日本を代表するようなモノづくりの企業を目指す」と力を込めた。

 サワは1923年4月創業の株式会社。東松島市川下地区の「ひびき工業団地」に宮城工場を置いている。こちらには第1~4工場の4棟を建てたが、すでに空き区画がなくなったため、第5工場はグリーンタウンの方に建てることにした。グリーンタウンには空き区画がまだ2つあるため、将来的にはそちらに第6工場を建設する可能性もあるようだ。

 サワの地域支援活動としては、東北社会人サッカーリーグ1部「コバルトーレ女川」のスポンサー活動を行っている。

第5工場の完成イメージパース

第5工場の完成イメージパース

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