農業用施設を機能診断 中田地区と迫川上流地区(北上土地改良)

[2023/8/19 宮城版]
 農林水産省北上土地改良調査管理事務所は、中田地区と迫川上流地区で農業用施設の機能診断を行う。中田は揚水機場1カ所と排水機場2カ所、迫川上流は幹線用水路1路線と揚水機場1カ所、頭首工1カ所が対象。診断業務は地区ごとの2件に分けて簡易公募型競争入札を公告しており、31日まで参加表明書を受け付け、10月13日に開札する。

 中田地区は水越揚水機場、西田排水機場、糠塚排水機場の機能診断を一括して委託する。いずれも登米市内の農業用施設で老朽化している。

 水越揚水機場は口径900mmのポンプが2台備わっており、揚水能力が毎秒3.75t。西田排水機場と糠塚排水機場はともに900mm、800mm、600mmのポンプが1台ずつ備わっている。排水能力は西田が毎秒3.5t、糠塚が毎秒3.478t。

 迫川上流地区は、新山幹線用水路、新山揚水機場、軽辺頭首工の機能診断を一括して委託する。いずれも栗原市内に設けられている農業用施設。

 新山幹線用水路は口径1100mm~1650mmのパインプラインで、延長が4236m。新山揚水機場は口径1200mmと700mmのポンプが1台ずつで排水能力が毎秒3.896t。軽辺頭首工は堰高が77.7m、堰高が2.2mの規模。

 機能診断業務は2件とも国営造成水利施設ストックマネジメント推進事業で委託する。現地調査を行って機能診断するほか、農業水利ストック情報データの作成や点検とりまとめを実施する。履行期間は2024年3月22日まで。

 入札の参加資格は、東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど。

 参加資格の選定結果は9月12日に通知する予定。資格者からは9月13日~10月2日に技術提案書を受け付ける。入札は9月26日から受け付け、紙による郵送が同29日、電子と紙による持参が10月2日を提出期限とする。

 中田地区には排水能力が毎秒10tの大泉揚水機場、水越揚水機場、西田排水機場、糠塚排水機場、延長11.5kmの大泉幹線用水路、延長4kmの水越幹線用水路、延長1.8kmの石森幹線用水路などがある。いずれも1972~87年の国営かんがい排水事業で整備された。受益面積は登米市と岩手県一関市の4070ha。

 既存の農業用施設は老朽化しており、更新が必要となっている。ここ数年で用水路の沈下やポンプの不具合なども起きている。今後は2段階に分けて施設の更新などを進めることにしており、中田地区と中田二期地域に分けて調査検討業務を委託している。

 迫川上流地区は、栗原市と登米市、岩手県一関市にまたがる水田地帯。受益面積は1万192ha。1983年~96年の国営かんがい排水事業(一期)で、頭首工5基、揚水機場2カ所、幹線用水路54km、荒砥沢ダムなどが整備された。さらに、1991~2005年の同二期事業で小田ダム、沖富調整池、小水力発電所、用水管理施設などが造られた。

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