本県小中校は77% 学校トイレの洋式化整備状況(文部科学省)

[2023/10/14 茨城版]
 文部科学省は、9月1日時点で公立学校施設におけるトイレの状況をまとめた。公立小中学校(義務教育学校・中等教育学校の前期課程を含む)の洋式率は68.3%となり、前回の調査時(20年、57%)からは11.3ポイント上昇した。本県の洋式率は小中学校で77.5%、幼稚園で85%、特別支援学校で90.1%となり、このうち小中学校については、前回調査時(66.6%)から10.9ポイント上昇している。市町村別では、18年度までに全小中学校5校が統合された河内町が100%となったほか、かすみがうら市の95.6%がこれに続いている。

 この調査は、全国の公立学校施設を対象に、児童生徒が日常的に使用するトイレの洋式、和式の状況(校舎、体育館・武道館、屋外トイレなど)と、今後のトイレ整備に対する学校設置者の方針などを調査したもの。

 それによると、公立小中学校におけるトイレの全便器数は132万6338基で、そのうち洋式数は90万5447基、洋式率は68.3%となった。幼稚園は全便器数3万7637基のうち洋式数は82%に当たる3万0871基、特別支援学校は全便器数4万9740基のうち、88.4%に当たる4万3990基となっている。

 トイレ整備に対する教育委員会の方針を調査したところ、小中学校のうち、各学校で和式よりも洋便器を多く設置する方針の学校設置者が全体の約92%(前回約88%、約4ポイント増)となった。

 小中学校における本県の洋式率を詳しく見ると、18年度までに町内の全小中学校が小中一貫校「かわち学園」に統合された河内町が100%。以下、かすみがうら市(95.6%)、利根町(92.9%)、ひたちなか市(91.8%)、取手市(90.6%)までの5市町が90%を超えている。

 逆に小中学校の洋式率が低い市町村をみると、石岡市の49.7%が最低で、龍ケ崎市(51.4%)、大子町(55.5%)、潮来市(59.8%)が60%を割っている。前回の調査で34.3%と最低だった結城市は、18-20年度で和式を残しながら全12校の洋式トイレ整備を進めたことから、69.6%にまで上昇した。

 一方、今回の調査で最低となった石岡市では、学校施設の統廃合に着手したところで、本年度末には石岡中学校区内にある4校(高浜小、三村小、関川小、南小)が統合されることになっている。統合先の南小学校では、校舎棟や体育館の改修工事の中でトイレの洋式化も進めているもようで、統合後の洋式率は60%近くにまで達する予定だという。

 同省では、公立学校のトイレ整備にあたり、学校施設環境改善交付金を活用した大規模改造(トイレ改修)事業などにより、トイレ環境を改善するための全体的に改修を行う工事に対して、国庫補助を行っている。補助率は3分の1で、対象工事費の下限額は400万円、上限額は7000万円。対象工事は、学校トイレを改修するために必要な工事(和式から洋式便器等へ交換する工事、便器等の設備・給排水設備・電気等の付帯設備の改修工事、床・壁・天井・建具等の内装の改修工事、間取りを変更する工事、その他トイレ改修に関連する工事)となる。

 同省では今後も、トイレの整備について、各地方公共団体の整備方針に応じ、児童生徒などが安心して過ごせるよう、財政面も含めて支援を行っていくとしている。

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