木材をふんだんに使用し集客施設棟のイメージパース

　成田市は、公設地方卸売市場集客施設棟の整備・運営事業者を選定する公募型プロポーザルを実施、優先交渉権者としてグループ「NARITA FOOD PLAY PARK」を選定した。構成企業はバースデイ(東京都渋谷区)とケイブ(東京都目黒区)。「食を通した学びを楽しく体験できる“食育テーマパーク”」をコンセプトに、家族で食を味わい・楽しみ・学べる、新たな観光と文化拠点施設を整備する。施設の延床面積は2500平方ｍ。うち第1期700平方ｍは2026年10月、第2期1800平方ｍは31年11月の開業を目指す。

　今回の公募では、同グループの1者が企画提案書を提出。11月7日の選定審査委員会で審査した結果、同グループを優先交渉権者に決定した。

　バースデイは、都内商業施設においてコンセプト開発やマーケティング、三重県内において教育型グランピング施設の運営を、ケイブはソーシャルゲーム開発やイベントの開催などを手掛けている。

　新生成田市場は天神峰地区に開場、国内外へ食を提供する日本初のワンストップ輸出拠点としての役割を担っている。そこで、集客施設棟では、国内外から大勢の観光客を迎え、市場らしい雰囲気のある活気と賑わいを創出してもらう。

　建設予定地は、関連食品棟の南側。貸付面積は1万2600平方ｍ。貸付条件は、事業用定期借地権設定契約。事業期間は、貸付開始日から30年以上50年未満。

　同グループの提案内容をみると、貸付料は月190万円とし、開業5年目以降は、売上の1％を変動納付金として納付する。

　地域事業者が参入しやすいテナント料とするとともに、持続可能な事業モデルを構築するために、第1期では、市をはじめとする千葉県農産物を中心に、成田空港を活用して国内外の名産品や旬の食材の販売を行う「世界の道の駅」を整備。

　物販エリアの拡大とともに、第2期として、新鮮な食材を使用した料理や機内食などを提供するレストラン、最新の農業体験施設や、見学も可能な加工場などを整備、安定的な収入の得られる大手企業を誘致する。

　延床面積は2500平方ｍ(第1期700平方ｍ、第2期1800平方ｍ)、駐車場は8500平方ｍ(同1500平方ｍ、同7000平方ｍ)、緑地等は1600平方ｍ(同800平方ｍ、同800平方ｍ)を確保。イメージパースによると、建物には木材をふんだんに使用し、まわりに樹木を配置するなど緑豊かな景観を形成。廃材をウッドチップやベンチなどに使用した共用広場を整備する。

　概算事業費は22億円。24年度に予定しているSPC(特別目的会社)の設立にあたっては、場内事業者や地域の事業者などからも出資を募る予定だ。