プロポ手続きを開始 上大津統合小の基本・実施設計(土浦市)

[2023/12/22 茨城版]
 土浦市は18日、(仮称)市立上大津地区統合小学校の基本・実施設計に係る公募型プロポーザルの手続きを開始した。この設計では校舎棟と体育館の新築に加え、児童クラブ、外構、既存建築物の解体などを行う。委託費の上限額は税込2億1452万2000円とし、入札参加形態は2者JV、履行期限は26年3月10日に設定。参加表明書の提出は24年1月5日まで受け付ける(プロポーザルの概要は19日付公告欄に掲載)。事業者の特定は24年3月上旬ごろになる見通しだ。基本・実施設計策定後は、26-27年度の2カ年で建設工事を行い、28年度の開校を予定する。

 この事業は、上大津地区の生徒数減少を受けて、上大津東小学校と菅谷小学校を統合するもの。統合の際には上大津東小の北側敷地1万1200平方mを取得して、既存施設との一体的な整備を実施していく。

 基本計画によると、メインコンセプトを「未来へ歩む地域とともに、子どもたちの成長と新時代の学びを支える学校」に設定。基本方針には、▽安心・安全な学校づくり▽新たな学びを積極的に取り入れた学校づくり▽心の豊かさを養う学校づくり▽地域に開かれた明るい学校づくり▽環境に配慮した学校づくり▽持続可能な学校づくり──を掲げた。

 このコンセプトを踏まえて統合小では、ラーニング・コモンズを中心に児童同士、教職員、地域住民との交流・連携が図れる配置で整備していくことを明示。なお、同計画のラーニング・コモンズとは、学校図書室を核とし、多目的教室や地域開放を行う特別教室を一体的にゾーニングすることで、児童・生徒に加え、地域住民の学びの中心となるエリアを意味する。

 整備にあたっては、校舎と体育館の新築に加え、既存施設の解体工事を実施していく。このうち、新校舎については既存施設の北側に配置する。新校舎棟の規模は約6900平方mを確保。内訳は、普通教室に2376平方m、特別支援教室に216平方m、特別教室に1080平方m、管理諸室に720平方m、共用部などに2500平方mを配分する。

 また、体育館については当初、既存施設の長寿命化で対応する予定であった。しかし、体育館が隣接する東側の道路をスクールバスの進入路にすることに伴い、幅員を5mから9mに変更することを決定。これを受けて、体育館と道路との間が接近し、安全が確保できなくなる可能性があることから、体育館を新設することに変更した。

 既存施設の活用は、校舎棟の一部(S造2階建て、延べ497平方m、14年建設)で長寿命化を行い、児童クラブに転用する計画。残りの施設については解体を行う。

 工事手順については、既存の上大津東小が継続的に運用可能な計画を選択している。主な流れとしてはまず、同小北側の敷地拡張を行う。続いて新校舎と新体育館の建設を進める。その後、既存校舎の解体と児童クラブ改修を実施し、最後に既存児童クラブの解体とグラウンドの整備を行う見通しとなる。

 概算工事費は23年1月時点で44億8400万円と試算した。内訳は工事費が36億3600万円で、設計・監理委託料が2億6800万円、調査・手続委託料が8900万円、外構工事費が3億7400万円、既存校舎の解体工事費が1億1700万円となる。なお、近年の物価の高騰などを踏まえ、概算費については基本設計内で再度、試算する予定だという。

 今回の業務では、基本設計と実施設計に加え、測量業務、地質調査業務などを実施する。このうち、設計の基本的な考え方としては、基本計画のコンセプトに加え、▽周囲の道路は安心安全を考慮した幅員に拡幅する計画とすること▽既存施設は原則として28年3月まで通常通り使用することを前提とした計画とすること▽脱炭素社会の実現に貢献するため、ZEB Readyの定量的要件を満たすこと──などを盛り込んだ。

 入札参加形態は2者JVに設定。すべての構成員の参加資格では、一級建築士事務所の登録を受け、対象とする委託業務において市の入札参加資格を有していること。

 また、代表構成員には、一級建築士の数が4人以上で、13年4月以降に完了した延べ5000平方m以上の教育施設の新築、増築または改築の実施設計、または基本・実施設計を履行したことがが求められる。代表構成員以外の構成員には、土浦市内に本社があることなどが参加資格となる。

 参加表明書の提出は24年1月5日までとし、プロポーザルの提出は2月29日まで受け付ける。設計業者の特定は3月上旬ごろになる見通しだ。

 今後のスケジュールとしては、24-25年度で基本・実施設計を策定する。26-27年度に建設工事を行い、28年度の開校を予定する。既存施設の解体は28年度中に実施する計画となっている。

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