道の駅などを提案 鹿島灘海浜公園拠点化で検討委(鉾田市)

[2023/1/10 茨城版]
 鉾田市は市役所で第1回鹿島灘海浜公園拠点化推進会議を開催した。委員会ではこれまでの調査結果を踏まえて、市が拠点化に向けた3案を提示。具体的には、海に面した道の駅と、家族向けの体験型農場、海外の街並みをイメージした公園となる。今後は年度内にも2回の会合を予定し、基本構想をとりまとめる。あわせて、基本計画平面図の策定も完了させる。早ければ、24年度から事業の具体化に向けた取り組みを進めていく考えだ。

 鹿島灘海浜公園は2000年に開園。公園内の売店やレストランは05年ごろに営業を開始したため、老朽化が目立つなど、県の重要な観光地・憩いの場でありながら、そのポテンシャルを十分に活かせていないのが現状となっている。

 そこで市は、県や国、民間事業者などと連携して公園を再整備し、観光や地域交流の一大拠点化を図ることを決定。対象は公園内の広場や売店、レストランなどの台地部となる。ピクニック広場やボードウォークなどの海浜部は県が活性化を進める。昨年度は、基本構想策定業務をサンコーコンサルタント茨城事務所(水戸市)に委託。アンケート調査や先進事例調査を行って、基本構想の素案をまとめた。

 委員会では、市が作成した基本構想の素案を調査・検討し、具体的な方向性を決める。年度内にあと2回の会合を予定しており、活性化に向けた施策や事業手法、管理・運営方法について検討を行っていく。委員会は岸田一夫市長のほか、市議会議員や地元の区長、関係機関代表、行政関係者など計20人で構成する。

 市が提示したのは、▽海に面した道の駅▽農業とファミリー▽花と海外の街並み──の3案。このうち、道の駅では、日本一野菜をつくっている市であることや国道51号に隣接すること、海など美しい景観を楽しめることなどを活かして、整備を行う。その際には、道路状況や観光、緊急医療などの情報発信機能を新規に盛り込む。また、建屋の整備に加えて、定期的にマルシェやフリーマーケットを開催し、にぎわいづくりを図る。

 農業とファミリーでは、市の農業にフォーカスするとともに、ファミリー層が楽しめる体験型の公園づくりを行う。具体的には、体験農場や市民農園、その場で加工して飲食ができる施設を導入。市の野菜を使ったレストランの再整備、直売所の拡大、加工品の製造や販売なども計画する。このほか、自然と触れ合えるアスレチックや、スケートボードパークの整備も検討していく。

 花と海外の街並みでは、海外の街並みをイメージした花にあふれた公園整備を行い、非日常感を味わえる空間を演出する。駐車場周辺の建屋群の建て替えや舗装の改修などを実施。また、レストランや売店の再整備を行うほか、海の見える場所への宿泊施設の新設なども候補に挙がる。

 会議ではこの3案に限らず、自由な提案・意見を求めて、基本構想と基本計画平面図を策定する。方向性次第では、24年度から事業の具体化を図っていく。

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