概算事業費に23億円 百里飛行場前の新交流拠点(小美玉市)

[2024/1/12 茨城版]
 小美玉市は、百里飛行場新交流拠点整備基本計画案を公表した。この計画では市の空の玄関口である百里飛行場前地区と、陸の玄関口である羽鳥駅前地区の2カ所を対象に、人々の交流を促進する新交流拠点を形成していく。このうち、百里飛行場前地区には、飛行場と空のえきそららを連携・補完するため、多目的イベントスペースや展示・体験スペース、カフェ・文化交流スペースなどの機能を盛り込んだ拠点施設や、自然を生かした広場などを整備する。拠点施設の規模は、2階建て約3200平方m。計画全体の概算事業費は23億8000万円を想定している。

 20年3月に策定した「まちづくり構想」では、百里基地と茨城空港を核とした地域振興の活性化に取り組むため、▽そらら拡張▽そらら参道▽エコトープ▽Jフロント──の4つの整備構想を検討していた。このうち、そらら拡張については、22年10月に基本計画を策定した。

 今回は残る3つの構想について統合して見直し、飛行場とそららを繋ぐ新交流拠点の整備を計画する。計画の対象となるのは、飛行場西側の地区面積約4.7ha。計画地は北山池が立地するほか、台地部は公園として築山や散策のための園路、池のほとりの四阿が設置済みとなる。

 整備にあたって、既存の北山池をはじめとする約2万5000平方mは、池の大部分が池や湿地であることから、環境保全エリアとして計画。隣接する台地部約2万2000平方mのなかには、飛行場という地域固有の資源を活用するため、スポーツやイベントに利用できるほか、空港利用者や基地利用者、自衛隊員など多様な人々が交流できる拠点施設を整備する。施設の南側には広場スペースを設けて、屋外での活動や交流の場、災害時の避難場所としての活用を検討していく。

 このうち、拠点施設の規模は、2階建てで延床面積約3200平方mを想定。1階部分は約2700平方mで、多目的イベントスペースやトレーニングスペース、展示・体験スペース、災害備蓄スペースを配置する。

 多目的イベントスペースには、スポーツやイベント、レセプション会場としての利用を想定するほか、今後災害時の避難所としての活用を検討していく。展示・体験スペースは、自衛隊の活動や百里基地の歴史などに関する展示を行い、航空シミュレーターや音響VRなどが体験できるものとし、多くの人に関心を持ってもらうため、1階入り口付近に計画する。

 2階部分は、カフェ・文化交流スペースとして約500平方mを確保する。レセプション開催時の飲食提供を可能とするほか、飛行機の離発着見学などに利用できる回遊的な通路を計画。このほか、共用スペースとしてエントランスやトイレ、事務所や控室、更衣室、機械室などの施設を盛り込むものの、詳細な内容や規模はこれから検討していく。

 測量費や調査設計費を除いた現段階での概算事業費は、23億8000万円と試算。内訳は敷地整備費が4億4000万円、建物建築費が17億6000万円、備品などの施設費が1億8000万円となる。

 なお、この計画は22年に基本計画を策定したそらら拡張計画と一体的に、防衛省のまちづくり構想策定支援事業の補助支援を受けて、事業を進める。具体的な整備スケジュールは現段階では未定としているが、市の重要施策として優先的に事業を行っていく。

 市は計画の策定に市民の声を反映させるため、パブリックコメントで15日まで意見を募集している。詳しい問い合わせは、都市建設部都市整備課(電話、0299-48-1111、内線1414)まで。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.