横須賀設計に変更 複合文化施設の基本計画業務(石岡市)

[2024/1/25 茨城版]
 石岡市が進めている市複合文化施設の基本計画について、事業者がシアターワークショップ(東京都渋谷区)から横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)に変更となったことが分かった。これは、一般競争入札の審査の結果、シアターワークショップの資格要件に不備があったことが判明したことが理由となる。市担当者によると、今回の事業者変更に伴うスケジュールの変更はなく、当初の予定通り、23-24年度の2カ年で基本計画をまとめる見通しだという。なお、複合文化施設の建設場所と機能、事業手法については、本年度中にも決定する考えだ。

 基本計画の入札は第1回目を23年10月13日に開札したが、参加者全員の金額が最低制限価格を下回ったことにより不調となった。これを受けて第2回目を11月17日に開札し、シアターワークショップが落札した。しかし、その後、資格要件に不備があったと同社からの申し出があり、契約締結には至らなかった。

 これを受けて市は、今後の方向性を検討した結果、基本計画策定までに時間が無いことも考慮し、入札時に第2順位であった横須賀満夫建築設計事務所と随意契約を締結することを決定。同社からの同意を受けて、12月19日に税込1963万5000円で契約を締結することになった。

 複合文化施設整備事業は、老朽化を受けて閉館した市民会館の移転改築を行うもの。基本構想によると、新施設にはホール機能を盛り込むことを明記。その際には、近隣自治体の類似施設と差別化し、市のシンボル感や存在感、個性を持たせることで、県南地域の中でも特色あるホールを目指していくとした。

 基本計画の業務内容としては、▽整備方針▽施設計画と機能構成▽土地利用計画(屋外計画)▽建物構造および建物設備にかかる計画▽施設利用にかかるイメージ▽管理運営計画▽環境配慮計画▽事業手法▽事業スケジュール▽概算事業費──などを盛り込んだ。このうち、施設計画と機能構成では、新施設は市民利用を中心とする文化ホール機能を中核機能とすると明記している。

 基本計画は23-24年度の2カ年でまとめる見通し。なお、複合文化施設の建設場所と機能、事業手法は、本年度中にも決定する。22日に開催した第8回市複合文化施設整備審議会での検討内容を踏まえ、審議会が2月上旬にも谷島洋司市長に中間答申する予定。この答申を踏まえ、市が建設場所と機能、事業手法を決定する流れとなる。

 審議会での検討内容をみると、ホール機能では、メインホールを600-800人の収容規模に設定。サブホールは150-200人の規模とし、座席やステージを可動式とするなどの工夫を行い、平土間形式で利用できるものにする。

 ホール以外の機能については、市民ギャラリーやアトリエ・工作室、音楽スタジオ、和室の整備を目指す。ただし、和室については、必要性について把握し、整備形態については引き続き検証を行うとした。このほか、図書スペースや会議室、学習スペース、調理室、キッズスペース、民間テナントスペースも盛り込んだ。

 建設地については、鹿島鉄道跡地と市営駅東駐車場を最終候補地にするとの方向性を示した。ただし、振動や騒音といった懸念事項が示されたことを踏まえ、検討を行い、最終答申までに建設地をひとつに絞り込むとしている。

 新施設の実施事業については、これまで文化芸術のさまざまな活動に取り組んできた市民・団体が今後も継続して活動できる環境を提供するとした。さらに、若い世代に文化芸術活動が根付く事業や、アウトリーチ事業の導入なども想定する。

 今後のスケジュールとしては、25-26年度の2カ年で基本・実施設計をまとめ、27-29年度の3カ年で本体工事を実施していく。供用開始は30年度になる見通しだ。

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