新湾岸道路 具体化へ前進 国交省に概略ルート検討を要望(千葉県・沿線市) 

国交省で吉岡技監(中央)に要望書を提出した

国交省で吉岡技監(中央)に要望書を提出した

[2024/1/25 千葉版]
 千葉県湾岸部に多車線の自動車専用道路を早期に実現するため、新湾岸道路整備促進期成同盟会(会長・熊谷俊人知事)は24日、国土交通省で吉岡幹夫技監に要望書を手渡し、概略ルートや構造の検討に着手するなど、早期に計画の具体化を図るよう求めた。技監との面談後、熊谷知事は「京葉地帯の競争力を強化していく必要があり、新湾岸道路の整備が急がれていることを伝えた」と話し、技監からは「概略ルートや構造の検討を一日も早く進めたい」という言葉を伝えられたことを明らかにした。

 要望活動には、熊谷知事をはじめ、同盟会に参加する沿線6市の首長らが参加した。能登半島地震を受けて衆院予算委員会が開かれているなか、吉岡技監が対応した。要望書はこのほか、財務省と県内選出の国会議員に提出している。

 熊谷知事は要望後のぶら下がり会見で「能登半島の地震を受けて、道路網の複数ルートの確保が大事であり、今まで以上に重要性が叫ばれている」と早期整備の必要性を強調した。吉岡技監から前向きな発言を得たことから、「次の検討会(新湾岸道路検討会準備会)の開催、概略ルートや構造の早期検討への道筋を切り開きたい」と期待を込めた。

 要望では、外環道の高谷ジャンクション周辺から京葉道路の蘇我インターチェンジ(IC)周辺、館山自動車道の市原IC周辺までの湾岸部において、多車線の自動車専用道路として、早期に計画の具体化を図ることを求めた。

 同盟会として初めて行った昨年5月の内容をより具体化させ、検討を行う体制案などの議論を進めること、早期に概略ルートや構造の検討に着手することを新たに盛り込んだ。

 期成同盟会は2023年5月に、県と湾岸地域の千葉・浦安・市川・船橋・習志野・市原の6市で設立された。同年6月には、国土交通省が新湾岸道路検討会準備会を発足させ、第1回会議で、概略ルートや構造の検討を進めるための体制について議論することを決めている。

 千葉県湾岸地区は、京葉臨海コンビナートや国際拠点港湾「千葉港」、幕張新都心、レジャー施設などが立地するほか、成田空港や港湾と都心を結ぶ重要な位置にある。かねてより激しい交通渋滞に悩まされてきた地域であり、千葉港の機能強化をはじめ、物流施設や大規模商業施設の立地など周辺の開発計画に伴って、さらに交通需要が高まることが予想されている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.