運動公園など想定 百里飛行場周辺活用計画を公表(小美玉市)

[2024/1/31 茨城版]
 小美玉市は、市が策定を進めている新まちづくり構想のうちの個別計画となる「百里飛行場周辺財産活用基本計画案」を公表した。防衛省が所有する百里飛行場周辺の緩衝地域について、市が利活用を図るものとなる。具体的には、緩衝地域の規模や立地の特性に合わせて、運動公園や緑地公園、農業公園を整備するほか、狭あいな周辺道路の拡幅などを計画している。

 百里基地周辺国有地は、防衛省が所有する百里飛行場周辺の騒音対策のための緩衝地域。同地域は現在、未利用の荒地が多く、実態としての緩衝機能は低い状況にある。また、空港周辺では航空機撮影者などが集中するスポットが点在し、狭あいな市道や農道も多いことから、交通渋滞や駐車問題などが生じている。

 そこで市は、この国有地について緩衝機能の確保・強化を前提に利活用を図ることを決定した。活用にあたっては、その規模や集積状況によって方針を決めていく。点在する小規模な用地については、農園や駐車場、物置などへの個別利用を実施し、比較的隣接・集積している上合高場地区と上合大砂地区、与沢紋谷地区については、公園などの整備を検討するとした。

 このうち、上合高場地区は、県道大和田羽生線と市道116号線沿道に位置する小丘陵地で、敷地面積は14.2ha。近くには東関東自動車道茨城空港北インターがあるなど、市内外からのアクセスが良好なことが特長となる。同地区の活用方針としては、立地を活かした自然系の基幹公園として整備を行う。具体的には、デイキャンプやバーベキューが楽しめるファミリーパークや、アスレチックが体験できる体験の森、グランピングなど自然と夜空を楽しむキャンプサイトなどの活用を図る。飲食サービスやグランピングなどのレジャーサービスは、公園全体の管理運営とあわせてパークPFIの導入も計画。また、公園整備に至るまでの暫定活用として、公共残土のストックヤードとしての活用を検討している。

 上合大砂地区は、茨城空港から1.3kmの位置にある、12.9haの比較的平坦な区域。周辺のアクセス道路はいずれも幅員が狭く、航空機撮影者の路上駐車も多いという。活用方針としては、近隣施設と連携したスポーツや健康づくりを通した交流の場として、運動公園などの整備を検討。公園にはテニス、陸上競技、フットボールなどに幅広く対応可能なスポーツパークや、グランドゴルフなど高齢者や初心者も親しみやすいニュースポーツが可能な健康広場などを盛り込む。このほか、隣接地の協力を得ながら、地区内を結ぶアクセス道路を整備する計画だ。

 与沢紋谷地区は、百里基地南端部に位置する市道130号線沿道の台地部と斜面下の耕地で、面積は7.2ha。同地区では、指導者付き体験農園や農業実習施設などの誘致を行うほか、実験農園や育苗施設を整備し、地元農産物ブランドの開発に取り組む。さらには、隣接地の協力を得て、市道与沢0149号線、0150号線、0151号線の拡幅整備を行って、紋谷池へのアクセス道路を確保していく。

 この3地区は、いずれも都市基幹公園クラスの大規模公園となることから、アクセス道路の確保やインフラの整備、一体的活用の可能性など隣接地区の協力を得ながら、段階的に事業を進める。また、計画・設計から整備・管理まで、民間事業者や市民団体などの民間活力導入も検討していく。

 市は計画の策定に市民の声を反映させるため、15日までパブリックコメントを実施していた。今後は、パブコメの意見を踏まえて、計画を策定する予定だ。

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