旅客ターミナル再編集約 最大120万平方m規模に (成田空港)
[2024/2/7 千葉版]
「新しい成田空港」構想について、旅客ターミナルの検討状況が6日、明らかになった。既存ターミナル3カ所を再編・集約し、運用しながら新たなターミナルを整備する計画。施設の延べ面積は100~120万平方m程度を想定していることが分かった。
学識経験者や国、県、地元市町で構成する「新しい成田空港」構想検討会(委員長・山内弘隆運輸総合研究所所長)の第6回会合でNAAが検討状況を報告した。
旅客ターミナルについては「集約ワンターミナル方式」と「分散ユニットターミナル方式」を比較検討。成田空港のあるべき姿や既存施設が抱える課題などを踏まえると、「集約ワンターミナル方式」に優位性がある。
旅客ターミナルを1つに集約するとともに、機能の共用化を進めることで、利用者が使いやすく、航空ネットワークの維持・拡充を支える旅客ターミナルを目指す。
ターミナルの規模は本館建物などを考慮し、延べ面積100~120万平方m程度を想定。さらにコンパクトになるよう検討を進めていく。
ターミナルの形状は「ピア型」と「サテライト型」がある。ピア型はコンコースを地上の建物によって、比較的コンパクトに収められるため、ターミナル内の移動やスタッフの配置、イニシャルコストなどで優位となる。
サテライト型はコンコースが広域に分散し、地下で接続しているため、航空機オペレーションのしやすさや、航空機の移動に関する環境負荷低減などで優位性がある。
そのため、成田空港を取り巻く環境や目指すべき姿を考慮し、評価項目に重みづけをした上で、各形状案を評価する必要があるという。
2023年3月の中間とりまとめでは、「旅客ターミナル」「貨物施設」「空港アクセス」「地域共生・まちづくり」の4つのテーマごとに方向性を整理している。
この検討会は、成田空港の「更なる機能強化」を進めるとともに、旅客ターミナルの再構築や航空物流機能の高度化、空港アクセスの改善、地域との一体的な発展などに関する成田空港の将来像を検討するため、22年10月に設置した。