道の駅改修へ実施設計 新年度予算案 3カ年で美土里館を改修(茂木町)

[2024/3/6 栃木版]

 茂木町(古口達也町長)は、2024年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は76億3000万円で、前年度当初から5700万円(0.8%)増加し過去最高を更新した。新年度は道の駅もてぎのリニューアル事業で実施設計を策定するほか、新規事業で、美土里館の長寿命化改修事業や茂木中学校のLED化事業に着手する。特別会計は、ケーブルテレビ事業が民営化に伴い廃止となったほか、宅地造成事業が53.1%減の9393万円を計上し、三坂土地区画整理事業の工事に着手。企業会計は、下水道事業の資本的支出が16.1%増の1億5808万円となっている。

 一般会計歳出の性質別内訳を見ると、普通建設事業費は11億0859万円で、前年度当初を3.4%上回った。内訳は、補助事業費が16.8%減の7億2372万円、単独事業費が90.0%増の3億8486万円。また災害復旧事業費は、前年度と同額の203万円を計上した。

 重点事業をみると、道の駅もてぎのリニューアル事業は実施設計の策定を予定し、事業費5570万円を盛り込んだ。1996年のオープンから27年が経過して、施設の老朽化や狭あい化といった課題が顕在化していることから、新しいコンセプトで改築して30周年となる26年度中のリニューアルオープンを目指す。

 飲食店や物品販売店、トイレなどの建築物を建て替え、広場や駐車場などの屋外施設を更新する計画で、本年度は基本設計をプロポーザルで選定した龍環境計画(東京都中野区)に委託。工事は25年度と26年度を予定し、全体の概算工事費は18億円程度を見込む。

 有機物リサイクルセンター「美土里館」は、2003年4月の運転開始から約21年が経過して施設の老朽化が進んでいることから、ストックマネジメントによる長寿命化対策を実施する。県農業振興公社に委託して、22年度と23年度の2カ年で機能診断および保全計画を策定しており、これに基づき24年度から3カ年で施設全体の改修や更新に取り組む。全体事業費はおよそ7億2000万円を見込み、このうち24年度は2億4901万円を予算化した。

 このほか新規事業は、FM告知放送システム導入事業に1億2800万円を盛り込み、22年度と23年度で整備した光ケーブルネットワークを活用して、戸別受信機による災害情報などの音声伝達システムを構築する。

 茂木中学校のLED化事業は、設計委託料と工事費にあわせて3798万円を予算化し、校舎、体育館、武道館のLED化を進める。二酸化炭素排出抑制対策事業には500万円を計上し、官民共同で地域再エネ事業を実施するにあたり必要な調査を実施する。

 継続事業は、町道整備事業に前年度当初を約2億円上回る3億2400万円を確保して、町道林石沢線の道路改築工事や町道茂木坂井線の路線測量・詳細設計を実施するほか、町道上新砂田線の用地測量にも着手する。林道土地越線は、小貫地内の用地測量や用地買収、改良工事に7454万円を計上する。

 特別会計は、宅地造成事業で引き続き、仲の内団地第2期工区宅地造成事業と三坂土地区画整理事業を進めていく。仲の内団地第2期工区宅地造成事業は、既存の仲の内団地の北側に新たな住宅団地を整備するもので、本年度から宅地造成に着手した。新年度も2484万円を予算化し、造成工事の早期完了を図る。

 三坂土地区画整理事業は事業費1832万円を確保し、新年度から一部工事に着手する。仲の内団地東側の三坂地区に新たに産業用地を造成する事業で、全体面積約6.7haに分譲区画約4.1haのほか、緑地・公園や区画内道路、調整池などを整備する。基本設計や認可申請書の作成は、栃木都市計画センター(宇都宮市)が担当した。

 現況は遊休農地などとなっており、既に用地買収にも着手している。新年度は既存の水路の切り回しなどを実施した後、道路の工事を実施する予定。25年度以降は粗造成も行いながらセミ・オーダーメイド方式で用地を整備し、27年度末の分譲完了を目指していく。

 企業会計は、水道事業の資本的収支に10.2%減の3億6780万円を予算化した。このうち、水道施設高度浄水施設整備事業費には7590万円を計上し、水道水の安全対策として浄水場に紫外線照射装置を整備する。また、下水道事業は23年度から企業会計に移行しており、資本的支出に16.1%増の1億5808万円を計上した。

 新年度予算案の主な建設関連事業は次の通り。(▼は新規、単位・万円)
【企画課】
▼第3期総合戦略策定事業(428)=第3期総合戦略の策定
【住民課】
▽二酸化炭素排出抑制対策事業(500)=地域再エネ事業に必要な調査を実施
【農林課】
▼美土里館ストックマネジメント事業(2億4901)=美土里館大規模改修の実施(24年度~26年度)
▽林道土地越線整備事業(7454)=林道土地越線(小貫地内)改良のための用地測量・用地買収・改良工事の実施
【商工観光課】
▽空き店舗等活用事業(480)=空き店舗活用希望事業者に家賃補助、改修補助を実施
▼昭和レトロな街並みづくり(96)=昭和レトロな街並みを活かした中心市街地への誘客
▽道の駅もてぎリニューアル事業(5570)=道の駅もてぎのリニューアル工事実施設計書作成
▽移住定住促進事業(2823)=町内への移住促進PR活動及び、各種移住支援制度
【建設課】
▽町道整備事業(3億2400)=町道林石沢線の道路改築工事、町道茂木坂井線の路線測量および詳細設計、町道上新砂田線の道路改良事業のための用地測量
【総務課】
▼FM告知放送システム導入事業(1億2800)=光ケーブルネットワークを活用し、戸別受信機(防災ラジオ)による災害情報などの音声伝達システムの構築
【生涯学習課】
▼茂木中学校LED化事業(3798)=茂木中学校の校舎、体育館、武道館のLED化工事を実施
【宅地造成事業特別会計】
▽仲の内第2期宅地造成事業(2484)=新規住宅団地整備事業として23年度~24年度にかけて宅地造成中
▽三坂土地区画整理事業(1832)=23年6月施行認可となった土地区画整理事業の一部工事
【水道事業会計】
▽水道施設高度浄水施設整備事業(7590)=水道水の水質安全対策としての高度浄水施設整備工事

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